「夢は願うものではなく叶えるもの」
そんな言葉を見事に実現させた女性がいます。本多有香(ほんだ・ゆか)さん。
大学時代にカナダを旅行した際、犬ぞりに出会い、懸命にそりを引く犬達の姿に、子供の頃から愛犬家だった有香さんは深く感動。
犬ぞりをしたいという夢が生まれた瞬間でした。
大学卒業後、就職して資金を貯めると、有香さんは26歳で単身カナダに渡り、マッシャ―と呼ばれる「犬ぞり使い」のカナダチャンピオンのもとで働き始めます。
「お給料はいらない、何でもするから雇って」と履歴書を送り、マッシャ―をサポートするハンドラ―として採用されたのです。
200匹余りの犬の世話や厳しいトレーニングに明け暮れる日々。
その後さらに、新たな師匠のもとで修行を重ねた有香さんは、アラスカとカナダの大自然1600?を走破する世界一過酷といわれた犬ぞりのレース、ユーコンクエストに3度に渡って挑戦しますが、完走できません。
しかし、あきらめずに昨年2月4度目の挑戦で、ついに12日間に渡る壮絶なレースを完走し、日本人女性初という快挙を成し遂げたのです。
そのゴールは、観客の多さに尻込みする犬達を自ら先頭に立って引っ張り、会場の笑いを誘うという微笑ましいものでした。
カナダの永住権を取得して、宝物だという「世界一のうちのわんこ」21匹と訓練を重ねる有香さん。
「今の生活はワクワクするし、幸せです」。
そう語る彼女は、次なる夢に向かって走っています。