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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/3「海が4年かけて届けた手紙」

東京から1900キロ離れた太平洋上の南鳥島。ここには海上自衛隊や気象庁の職員20人ほどが常駐しています。

平成22年、自衛隊員の西田さんが海岸のゴミ拾いをしていたときに、波に打ち上げられた瓶を見つけました。
その瓶の中に入っていたのは、チューリップや太陽の絵が描かれた手紙。西田さんが辞書を片手に文字を読み解いたところ、ドイツのコトプスという町からのものだということがわかりました。
そこで西田さんは、「手紙を見つけました。あなたの国から届いた奇跡に感謝します」という返事を書いたのです。
絵の内容から、子どもだろうと想像し、折り紙や万華鏡など日本のおもちゃも同封し、ドイツに送りました。

この西田さんの手紙を受け取ったコトプスの町の人たちは大騒ぎ。じつはこの町では4年前、町の誕生850年の記念イベントとして、850人の市民が手紙などを入れた瓶を850本、世界中の海に向けて流したのです。
その中で返事があったのは、ほどなくスペインに流れ着いた1本だけ。
4年経ってすっかり忘れていたころに届いた2本目の返事に町中が驚いたのです。
この瓶に手紙を入れたのは、当時6歳だった少女。4年前の自分の手紙に日本から返事が届いたことに感激し、見たことも聞いたこともない「MINAMITORISHIMA」を一生懸命に地図で調べ、「遠い島だけど、いつか行ってみたい。そしてNISHIDAさんと話をしたい」と語っています。

インターネットで一瞬のうちに世界中にメッセージが届く現代。4年かけて海が届けた瓶には、海が育んだロマンがたっぷり詰まっているようです。