きょう2月24日は、1972年に日本とモンゴル人民共和国が国交を樹立した記念日です。
日本とモンゴルは、二度の元寇以来ほとんど交流はなく、国交が樹立した当時も、人々の往来は外交官と国が認めた留学生だけという極めて狭い範囲に限られていました。
その後1992年、モンゴル人民共和国がモンゴル国に変わったのをきっかけに、交流は少しずつ盛んになります。
そんな中、モンゴルの観光ツアーを担当していた旅行代理店のひとりのツアーコンダクターが、「モンゴルの雄大な大草原の中で打ち上げ花火ができたらどんなにきれいだろう」と夢を描きます。
モンゴルで花火を見られるのは都市の一部で、遊牧民の中には一度も花火を見たことがない人も多かったのです。
しかし実際は準備などの手配で実現は難しいと思われていたとき、そのツアーコンダクターは、偶然にも、同じ夢を持っていた花火師と巡り合いました。そして、ついに昨年9月、旅行ツアーのサプライズイベントとして、モンゴルの花火大会が実現。首都ウランバートルから70km離れたテレルジで、柳やスターマインなど、およそ200発の日本の花火が次々と夜空を彩りました。
ゲルと呼ばれる移動式住居の前では、ツアー客と現地の人たちが「まさか、こんなところで花火が見られるなんて」と大喜び。それは、言葉の壁を越え、同じ感動を分かち合えたひとときでもありました。
モンゴルを訪れる日本人観光客は、国交樹立当時、年間100人前後でしたが、現在では1万人に増加。今年8月には、史上初となる大相撲モンゴル巡業の開催も決定し、新たな交流に両国の期待も高まっています。