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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/3 放送分 「受験コロッケ」

受験シーズン真っ盛り。きょうは、岐阜県御嵩町(みたけちょう)のユニークなコロッケ屋さんをご紹介します。

手作りコロッケで人気の「ユタカ店」を営むのは、今年80歳になる森島豊さん。店頭には「高校生諸君、80点以上の答案一枚でコロッケ2個贈呈」と生徒たちを励ます紙が張られています。
これは、コロッケを買いにきた高校の先生が「最近、生徒が勉強しなくて…」と嘆いていたのをきっかけに、6年ほど前に思いついたサービスです。

コロッケは1個40円。機械を使わず、その日売り切れる分だけをひとつひとつ手作りします。
黒こしょうのきいたコロッケをお目当てに、高校生たちが店先で答案用紙を広げてみせる光景は、すっかりお馴染み。これまでの最高記録は、7科目の試験で14個のコロッケを獲得した地元の女子高生です。
そんな生徒には、「目標は東大か?京大か?」と励ますのも忘れません。
春には「合格したよ」と報告にくるのが何よりもうれしい、と語る森島さん。
地元で40年になる老舗ですから、中には、昔おつかいで買いにきていた人たちもいます。
高校生になった彼らがズボンをずり下げていたり、まゆげを細くしたりしていると「そんなんじゃコロッケはやれん!」と注意します。

温かい中にも厳しさがあり、地元の学校や警察からも一目置かれる存在です。
森島さんは2年前、大病を患って手術をしました。
入院中はしばらく休業していましたが、退院すると「元気なうちは続けたい」とお店を再開。この春、高校生たちの合格報告を楽しみに、きょうもコロッケを揚げていることでしょう。