fmfukuoka

【その17】磨かれる現場について

どうも、作演出の阿久根でございます。

えー

先日、『客に誠実になれー』みたいな偉そうなこと言ったりして、
その流れで、なぜに地方劇団は「東京進出」というスローガンを掲げるのかというヨタ話になりまして、
地方でそれほどの評価でもないのに、分母の大きいとこ行ってどうする...みたいなこと書いちゃったら―――

「東京やニューヨークなんかに行くなと言うの?」

みたいなことを言われました。

いえいえ、僕は逆にどんどん出て行け派でございます。
そこへ出て行かないと、自分がどの程度のモンなのか分かりませんもんね。

ただ、客に金を出してもらっても誠実に応えられないソフトなんて持って行くな。
客には迷惑をかけるなと言っただけでございます。

「あの時、出て行ってれば良かった」

とか後で言うくらいなら、出て行ってみて、成功するなり失敗するなり、
もっと大舞台に出てゆくなり、メゲて帰ってくるなりすればいいと思いますよ。

ということで、今日はちょっと、そこらへんの話をします。

これは、前にホカで言ってたことなんですけどね...

ここを訪れた方で、もし、大きな世界へ出て行きたいと思っていても、なかなか踏み出せずにいる人がいたら、
その方に向けて言葉を贈ろうと思います。


新聞のタレント募集広告なんかでよく『原石募集』なんて書いてありますが、
でも原石って磨かなければただの石ころです。

磨かなければダイヤモンドの輝きは生涯ありません。

ダイヤモンドってすっごく硬い物質で、削ったり磨いたりって加工は、同じダイヤでやらないといけないんです。

無数の小さなダイヤが付いた研磨機で、原石を四方八方から傷付けると、ブリリアントな輝きが出るんです。

ダイヤの原石は、フツーの石ころに囲まれていても、削られることはありません。

自分が、ホカの石ころ連中を傷付けたり壊したりすることはあっても、自分は絶対に傷付かないし壊れません。
なので、九州では安穏な心地よい日々が送れます。
だから身内ウケを勘違いしたりもします。

野心もあって人一倍プライドもあるのに、自分が傷付けられるところを見られたくない弱さから、
ダイヤの連中がゴロゴロいる場所に出るのを躊躇していたら、ずっと原石のままなんです。

原石のままというより、それはもう【ただの石ころ】ですね。

ボロボロになる覚悟、四方八方から傷付けられる覚悟がなければ、
誰もあなたの輝きを発見することは出来ません。

傷付いた回数分だけ輝く面が増えることを知ると、どこへだって行けますよ。

でも...

こちらの土地でもダイヤを磨ける、原石を傷つけることの出来る刺激のある現場がたくさん作れたらいいなあ
...と思っています。

だから、FM福岡は初めてその現場としての舞台を作るんです。

芝居と音楽とダンスが織り成すステージを―――
この土地で作ったものをもっと具体的に、この土地から発信するものをもっと誠実に...作ろうとしているんです。

自分が何かしらの原石だと思っている方は、積極的に傷つく現場に行きましょうねっ。

コンクールでも、コンテストでも自分の作品を出せばいい。
自分の身をさらしに行けばいい。

―――

えー...

ところで、今回の舞台では群舞のダンサーを30名ほど募集してます!
どしどしご参加くださいまし(笑)

ダイヤでもなんでもないただのビー玉
阿久根知昭

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