fmfukuoka

【その7】 舞台のダンスについて

作演出の阿久根です。

今回は、ダンスについて。

舞台では、ラジオドラマでは観ることが出来なかったダンスをご覧いただける!
ということで、そこらへんについてちょっと話します。

物語に出てくる姜琰は、西方の民族舞踏を舞う踊り子です。

で、

その姜琰役を演じたのが渡辺美穂ですが、彼女は中国国家認定の職業舞踏家だったりします。
ま...ラジオドラマでは声だけなので、中国舞踏を披露することは出来ませんでしたが、彼女が姜琰役をやるということで、姜琰という人物を踊り子という設定にしてみました。

つまりアテ書きだったワケですよ。
下の画像は、渡辺なんスけど...

26a.jpg

この画像のソフトフォーカス具合がちょっとアレですが...
なぜ彼女が始めにキャスティングされていたかと言いますと、凄く発音の良い中国語が喋れたからなんですよね。

ラストシーン...

ま、ドラマ聴いた方はお分かりになると思いますが、日本語と中国語で会話させたかったから――彼女に。

彼女は、実は中国残留孤児の二世だったりします。

つまり、親が残留孤児でありまして...

彼女のお母さんは2歳の時、終戦間近に満州から引き上げる列車から落ち、中国人の夫婦から育てられました。
近所の子供たちからは、日本人の子ども「鬼子」と言われて苛められてしまったらしいんですが、志を抱いて、俳優の養成所に入り、そして見事に京劇スターとなりました(スゲー話)。

そこで舞踏家の男性と知り合いまして結婚し、その方が渡辺美穂のお父さんになるワケです。

結婚の時も

「私、日本人だけどいいの?」

みたいなことをいうと―――

「日本人だからって関係ないよ。僕は君そのものが好きなんだ」

みたいなね、みたいなね、
えー...そんなドラマチックな蜜月がありましてね、それはそれはハッピーなね...生活が始まったんですけど。

で、のちに日中友好で国交開始になると、残留孤児の身元捜しが始まり、お母さんも当局に登録しといたら、なんと、身元が分かって来日、舞踏家のお父さんも日本に帰化しました。

日本に来た時、渡辺美穂はまだ小学生だったので、幼かったぶん、すぐに日本に馴染み、高校生まで普通に生活していたんですけど、中国のクロサワと言われている映画監督の謝晋氏が俳優養成所を作ったというので、そこへ願書提出。
そして、彼女は日本人として唯一合格し、中国上海謝晋俳優養成学校に入学。

僕と逢ったのは今から14年前くらいかな...

僕が映画監督として動いていた時、日中友好団体と新聞社から紹介されて、映画のヒロインオーディションを受けてもらいました。

それからの知り合いなんだけど、大塚さんが彼女のお母さんの壮大なるノンフィクションドラマに興味を持ちまして...
えー...ラジオドラマにしました。

その名も『中国残留孤児渡辺千代子物語』(超まんま)

「こーゆー直球のタイトルのほうがいいんだよ」とは、付けた大塚さんの談。

彼女を、大塚さんとFMフクオカに紹介したのは、この企画がキッカケ。

ま...彼女のお母さんのドラマは賞を獲ってませんけどね。
僕、一所懸命書いたのに。
それ以降、僕が書いたものは僕が演出するようになりました。

話を戻します。

で、渡辺は舞踏家なので、舞台では彼女の振り付け、そして彼女のお父さんのサポートがあれば、素晴らしいステージが作れる!

と思ったワケです。

ここがラジオドラマでは出来なかったところですよね。

これで姜琰の舞踏が観れますよ、皆さん。

03082612.舞踊 003a.jpg

03082612.舞踊 005a.jpg

いやらしい話ですけど、彼女の舞踏のステージはチケット2000から3000円するワケでして、更に、箏を演奏する河原姉妹のチケットも2000から3000円はしますし、これがジョイントされて、ドラマが付いてるとすれば、この舞台のチケットって決して高くないと思うんですよねー。


だから観に来て!

来年の5月末だから!

ね!

ここで【作演出】って書いてたら、最近、旧映画スタッフの連中から

「ラジオドラマの脚本だけでなく演出もするようになったんですね」

って言われましたが、ラジオドラマスペシャルはここ3、4年ずっと演出してますよっ。

舞台も演出します!

観に来て!


作演出 阿久根知昭


Podcast

アーカイブ