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2017年9月9日の国府 弘子さんをプレイバック。




2017年の4月から2019年の6月までの2年と2カ月、新旧話題のアーティストをお招きして、その音世界についてアーティスト自らじっくり紐解いていただいた『SOUND PUREDIO presents 音解』。
そんな「音解」がひさびさに復活。

過去に登場した全117回、合計82組のアーティストの中から、今こそ改めて振り返りたいお宝音声をプレイバック。パーソナリティも再び集まり、当時の思い出とともに振り返ります。

今週は2017年9月9日にお迎えしたジャズピアニスト、国府弘子さんを振り返ります。



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9月9日のゲストは国府 弘子さんでした - SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)


「国府さんねえ、もうサバサバっとして、ホントにかっこよくて素敵な方なんですよね~。そして会話の中でたくさんの金言をいただきました」

当時を振り返って少し嬉しそうにそう話したのは、担当パーソナリティのこはまもとこさん。

ジャズ界の重鎮バリー・ハリスに師事し、常にピアノと作曲両面でジャンルや国境を越えて縦横無尽に大活躍。日米で多数の作品をリリースしている国分さん。なのに、スタジオにお迎えした国府さんは、気さくでざっくばらん、それでいてこれまでの経験に裏打ちされた言葉の数々は、音楽に留まらず私たちの胸に響きます。
国府弘子という素晴らしいアーティストに魅了された今回の音解。どうぞお楽しみください。

今回振り返るのは、こはまもとこさんとちんです。



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この日はいつものように国府さんが自らピックアップしたドライビングミュージック、国分弘子&天野清継の『シンプル・プレジャー』からスタート。

だったのですが、国府さん「このアルバム『ヘブン』は私自身久しぶりに聴くんですけど、たった今会ったこの方にリクエストいただいて」と言って登場したのはサウンドピュアディオ井川社長でした。

実はサウンドピュアディオのカーオーディオのセッティングでは、音の基準として国分弘子&天野清継の3枚のアルバムでチェックしていることが多いんだそう。

「この3枚のアルバムって微妙に違うんですよ。『ヘブン』は『AAD』、『アズール』は『DDD』と書いてあるんですね。アナログでレコーディングして、アナログでプロセッシングして最終もデジタルなのが『AAD』、工程が全部デジタルなのが『DDD』」
音楽の素晴らしさはもちろん、サウンドのシャープさ、暖かさ、それぞれの良さを確認するのに国府さんのアルバムは最適。

さすが「音解」を提供する井川社長。ディープなお話をしてくれました。

これには国府さんも大喜びです。


さて、続いては歌手、岩崎宏美さんとの共作アルバム『Piano Songs 岩崎宏美 & 国府弘子』についてのお話。

実は最初は旧知の仲である岩崎宏美さんからのオファーだったそう。

『Piano Songs 岩崎宏美 & 国府弘子』を聞くとお二人が単なる「歌と伴奏」ではなく、岩崎宏美さんの素晴らしい歌と国府弘子さんのピアノが深く理解し合って融合した本当の意味での「歌とピアノ」の共演のアルバムであることでもよくわかります。

お二人での楽しいツアーなども含めて、歌謡界の第一線で長年活躍してきた岩崎宏美さんとのコラボは「音楽として本当に面白くて勉強にもなった」と話す国府さん。

ここでこのアルバムの制作の過程などをお聞きしたのですが、そんな中で国府弘子さんの音楽の真髄に少し触れることができました。

それは「相手の話を聞く」ということ。

「まずは相手の音を聞くってことからはじまります。聞いて聞いて聞きまくって」十分理解したところで、それから自身の音とどう組み合わせるのがベストなのかを考えます。とのこと。

これにはこはまさんも思わず共感。パーソナリティも音楽もまずは「聞くこと」から始まるのは共通なんですね。

「どうやったらうまくなりますか?って時々聞かれることがあるんですが、いつも『まずは相手の音を聞くことです』って答えますね」

表現とはつまるところコミュニケーション、コミュニケーションの基本は「聞くこと」。そんなお話でしょうか。これ、すべてに通じる大切なポイントかも知れませんね。


そんな音楽との向き合い方に続いて、国府さん自らセレクトしたアルバム「ピアノ一丁!」の一曲目「ピアノ一丁!のテーマ」の解説では、国府弘子の音世界を支えるテクニカルなこだわりを披露くれました。

まずはインパクトあるアルバムタイトルについて。

「なんかおしゃれな英語とかでね、つける癖がついていたんですけど。別にいいじゃんって気持ちになって、これはピアノだけのアルバムです!ていうことを端的に言ったらこういうタイトルになったんです」

そう笑いながら教えてくれました。なんだかいかにも国府さんらしい。

この曲のポイントは「ペダルを踏まない」こと。

ペダルとは、ピアノの足元にある「サスティンペダル」のこと。音の余韻をつけることができます。
演奏中は細かにサスティンペダルで響きのコントロールをするのですが、とりわけソロピアノはペダルを踏みっぱなしの場合が多いそう。

「一人で弾く曲ってペダルを踏んだほうが格好がつくと言うか。この曲ではあえてサスティンペダルをなるべく使わず、ピアノでも打楽器のようなグルーブ感を出すというか。これ結構、勇気がなくてできないんですよ。でも、『あ、ピアノって打楽器だな』そして『間が切ないんじゃない?』なことに気がついて」

国分さん、そのためにピアノの椅子に正座して、ペダルを踏めないようにして始めたそう。
結果、この曲でのピアノはひとつひとつの音がクリアに粒立って、音と音の間の「間」に豊かな表情を与えています。

「あれ?コレ大発見!みたいな(笑)ピアノを弾く方、お試しあれ」

そこで、その笑顔に導かれるようにスタジオに流れてきたこの曲は、余分な装飾を廃した鍵盤の音が小気味よく、そして余白の美しさとでも言うべき、まさに音と音の「間」が心地よい奥深い一曲であることを改めて確認できました。

そんな国府さんの2017年のインタビュー。

いつも楽しそうでチャーミング、そして目の前の相手にもラジオの向こう側の相手にも細やかな気遣いが感じさせるとても素敵な方でした。

そして、その音楽もジャズというジャンルを軽々と超えつつ、シャープで野心的でありながら、どんな人でも一瞬にして取り込んでしまうような人懐っこくて優しい。音楽と人物が驚くほど一致してます。

「私、会話をしていてホントに楽しい回だったんですよ」
当時を振り返って、色々また思い出したようでこはまさんそんな風に総括してくれました。


そんな国府弘子さんの今年2020年。

今年2月に、およそ5年振り、24枚目のオリジナルアルバム『ピアノ・パーティー』をリリース。

22年続く鉄壁のスペシャルトリオによる演奏とともに、絶妙に配置されたコラボ曲の数々。

ゲストにバンドネオン奏者の小松亮太さん、露崎春女さん、唯一無二のバイオリニスト、早稲田桜子さんを迎えて、ジャズの自由さや陽性の多幸感があふれるアルバムになりました。

さらに、来年2月には、福岡での公演が予定されています。
秋頃に国府さんのオフィシャルWEBサイトをチェックしてみてくださいね。

ジャズピアニスト国府弘子オフィシャルウェブサイト  (外部リンク)


さて、次週は2018年2月24日に放送した寺岡呼人さんのインタビューを振り返ります。
どうぞお楽しみに!