2019年6月8日のMIYAVIをプレイバック。
そんな「音解」がひさびさに復活。
過去に登場した全117回、合計82組のアーティストの中から、今こそ改めて振り返りたいお宝音声をプレイバック。パーソナリティも再び集まり、当時の思い出とともに振り返ります。
今週はロサンゼルスに拠点を置き、世界を股にかけて活躍するギタリストであり、「不屈の男 アンブロークン」、「キングコング: 髑髏島の巨神」、「マレフィセント2」とハリウッド大作などで俳優としても活躍するMIYAVIさん。
まさに体を張って体験し考えてきた、真の「グローバルであること」について、たっぷり語ってくれました。
今回の音解は今週と来週、2回に渡って2019年に登場していただいたMIYAVIさんを振り返ります。
今週は2019年6月8日放送回。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く! → FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)この日、MIYAVIさんが選んでくれたドライビングミュージックはAlice Mertonの『Lash Out』。
この曲、実は8歳と9歳の娘さんが好きな曲。ロサンゼルスの生活を交えて、良きパパぶりもうかがわせつつほっこりとスタートです。
MIYAVIさんはこの年、縦横無尽に活躍中。
今回の話題の中心は7月にリリースされた、3年ぶりのソロアルバム『NO SLEEP TILL TOKYO』でした。
「今回は歌詞を含めて120%、MIYAVIのアルバムですね」
胸を張ってそう語るMIYAVIさん。
そしてこう続けます。
「やっぱり日本で生まれて日本人として育って、日本人として世界を回っていく中で改めて思うんですけど、すげえいい国なんすよねこの国。そこを今まではあえて(自身の表現として)出さないようにしてた部分とかあったんですけど、もう出して良いな、だけど出すに当たっては世界のグローバルの温度感を感じながら、知りながら、日本の良い部分を出していきたいと思ったんです」
海外で成功する人の少なからずが口を揃えて語る、外から見て改めて知る母国日本への想い。一方で、だからこそ内向きになりがちなこの国から世界へ飛び出して、正しく世界へ伝えることの大切さを、この上なく丁寧に話してくれました。
「(日本は)過ごしやすいし住みやすいし。だけど、ここから先グローバリゼーションという流れの中で、自分のオリジンというかルーツをちゃんと見ると言うか、その良さを知った上で海外にプレゼンテーションしていく。それはすごく大切なことなんじゃないかなと思いますね」
MIYAVIさんのとどまることを知らない日本への愛情と、だからこそ世界を舞台に活躍することへの強い想いは、私たちの心に眠っているなにかを刺激されるようです。
こはまさんは「実は自分たちのことをあまりにも知らないと思う」とそのお話に応えました。
この後も話はさらに教育問題やグローバリズムのお話へと広がっていくのですが、次は「俳優、MIYAVI」について。
とりわけ俳優としての活動の中でも強烈なインパクトを与えた、アンジェリーナ・ジョリーが初監督を努めた2016年の作品『不屈の男 アンブロークン』でのワタナベ伍長役についてもお話を伺いしました。
アンジェリーナ・ジョリーさんとの出会いは役者としてだけでなく、社会の様々な問題と戦う姿勢も含めて、表現者としてのMIYAVIさんに大きな影響を与えたそうです。
そして、そのアンジーとの出会いをきっかけにMIYAVIさんは、国連難民高等弁務官事務所の親善大使として難民支援活動も行うようになりました。
「親善大使としてこんなタトゥーだらけのロックアーティストが、水色のキャップをかぶって難民キャンプに行くなんてことは考えてもなかったし、目の当たりにした時にまた目をそらせないと言うか。まあ実際ギター弾こうが何しようが世界はすぐ変わりはしないんだけれど、今日はなんかしらやれることをやろうっていう、実際そういう時代に来てると思いますし。
それは、言い方がおかしいかもしれませんが、芸の肥やしと言うか音楽にもそれは投影されています。スピーチを聞かない人も音楽は聞いてくれるわけだからそういう人たちに届けたい。
今回のアルバムでもそういった曲も入ってます」
持続可能な社会や差別、貧困の話まで縦横無尽に語りながら「むしろこういうあり方は僕はロックだと思う」と、自分自身が積極的に社会と関わることの意義を伝えてくれました。
そんな風に熱く思いを話し続けたMIYAVIさん。最後に自身の生き方ついてこんな風にもお話してくれました。
「けっして僕はカラフルな人生ではないので、モノトーンと言うか。シンプルな生き方でありたいなあと思います。 ノマドじゃないですけど、どこにいても自分のスタンスでいられる。そういったものがすべて音に集約されている。表現力にもつながってきますしね」
お話のすべてはぜひradikoのタイムフリーで聞いていただきたいところですが、本当の意味でグローバルとはなにか?世界を舞台に生きていくということはどういうことなのか。
内向きになりがちな今こそ多くの人に聞いていただきたい深いお話になりました。
こはまさんはこんな風に全体をまとめてくれました。
「MIYAVIさんがいろんな活動をし、見聞きすることによって表現者としての自分に返ってくる。一方で私たちはMIYAVIさんやアンジェリーナ・ジョリーさんみたいな方たちが活動をしていることを通じて、(世界の動きや問題を)知ることができて。ああ、こういうことがあるんだなって思うことで、じゃあ自分にできることは何かな?とか、そういうことを考えるきっかけになるのかなとすごく思いましたね」
そして今、そんなお話をしてくれたMIYAVIさんの2020年。
大きなトピックは昨年、EXILEも擁するLDHに移籍して本格的な活動を開始したことでしょうか。
総帥HIROさんの、世界を見据えたエンターテイメントの姿勢に共鳴するところも多かったとか。
そして4月22日には12枚めのアルバム「Holy Nights」がリリースされました。
昨年のインタビューでは自らを「モノトーン」と語っていましたが、今回はダークでカラフルなビジュアル通りに、オリジナル楽曲はもちろん、カバー曲、リテイク曲、コラボ曲などバラエティ豊かな1枚。
ギタープレイはもちろん、磨きのかかったMIYAVIさんのボーカルも聞きどころです。
さらに今年の秋には『Holy Nights』と対になる13枚目のオリジナルアルバムのリリースも予定していてとどまることのないMIYAVIさんの活動。こちらも楽しみですね。
さて濃密なMIYAVIさんの今回のインタビュー、いかがでしたでしょうか。
今週はグローバリストとしてのMIYAVIさんにフォーカスを当てたインタビューとなりましたが、次回はMIYAVIさんの音楽面にもスポットを当てて、さらにその世界を振り返っていきましょう。
MIYAVI Official Site (外部リンク)
次週は2019年6月15日のMIYAVIさんのインタビューを振り返ります。