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2017年11月4日のOfficial髭男dismをプレイバック。


2017年の4月から2019年の6月までの2年と2カ月、新旧話題のアーティストをお招きしてその音世界についてアーティスト自らじっくり紐解いていただいた『SOUND PUREDIO presents 音解』。

そんな「音解」がひさびさに復活。過去に登場した全117回、合計82組のアーティストの中から、今こそ改めて振り返りたいお宝音声をプレイバック。パーソナリティも再び集まり、当時の思い出とともに振り返ります。

今週と来週は2週に渡ってOfficial髭男dism、藤原 聡さんのインタビューをお届けします。

今週はまだインディーズ時代の2017年11月4日放送回を、そして次週はメジャーデビュー直後の2018年6月16日放送回を振り返ります。どうぞご期待ください。

今週振り返るのはメジャーデビュー前の2017年11月4日

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11月4日のゲストはOfficial髭男dismです。 - SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)


先日発表された「ビルボード 2020年上半期HOT100」でもトップ10に総合1位含めて4曲、トップ・アーティスト・チャートでも堂々の1位と、時代を象徴するバンドの一つに急成長したOfficial髭男dism。

今回振り返る2017年は、まだインディーズ時代で前年に島根から上京してきて共同生活を始めたばかり。

そんなまだ初々しい...はずなのですが音解の歴代の中でも、語り草になるほど新人とは思えない見事なインタビューでした。

今回の振り返りを聞くと、現在の大成功は決して偶然ではなく、この時からその片鱗を覗かせていたことがよくわかる回となっています。ぜひお楽しみくださいね。

振り返るのは当時の担当のちんと香月千鶴さんです。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く! → 
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(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


冒頭いきなり「歴代いろいろ担当させていただいた中でも、一番思い出深いのがこの回です。も、とにかくスゲーの(笑)」と、ちん。

なにが「スゲー」のか?
それはこれからのインタビューを聞けばきっとおわかりかと思います。

とりあえず先へ進みましょう。
そういえばこの日、藤原さんスタジオに入るなり「ラジオとかもまだ慣れてなくて」なんてお話をしていたことを思い出します。


まずは2017年10月に配信された配信限定シングル「LADY」について。

「振り幅のものすごい4曲入りになっていて、はじめて本格的に自分でパソコンを使って打ち込みをした曲(「TELL ME BABY」)もあったりして、新しい試みもありつつ、今まで自分たちが大切にしてきた音楽も取り組みつつ、今やりたいこともできているし、自分たちが武器にしたいものも全部入っている、一番多様性が聞いて取れるような4曲入りになったんじゃないかなと思います」

そういえば、この回では久留米で『街角音楽祭』に出演、これフリーライブで、この後、福岡での初めてのソロライブなんてお知らせもありましたね。そう思えば初期中の初期なんですね。

しかし、当時から圧倒的に優れている楽曲の魅力はもちろん、しっかりと自分たちの音楽、やるべきことをきちんと言語化できる藤原さんの聡明さには驚かされました。

香月さんも思わず「まだインディーズですよね?ほんとに?」と声のトーンがあがります。
「このインタビューが終わった後、スタッフが口を揃えて『これは売れるわ』って言ってましたよね」と当時を思い出しながらちんが補足します。


音解のメイン企画、アーティスト自ら一曲ピックアップして楽曲の魅力や秘密を自ら解説していただくコーナーでは、今もライブの定番で人気のバラード「LADY」を藤原さん自らたっぷり楽曲を解説してくれました。
ここでの解説が本当に素晴らしいものですから、できればぜひradikoのタイムフリーで聞いてください。

藤原さんの楽曲解説、まずは一言。
ポイントは「ズバリ、歌詞とアレンジの親和性ですね」

「大人になってからの恋愛なんですが、恋愛を重ねていくと相手が自分が初恋の人っていうことはだんだん無くなっていく。それは当たり前になっていくんだけど、どこかちょっとだけ寂しい。自分の中にもあるそんな微妙な気持ちをすごく歌詞として大切に作ったんですね

その微妙な感情を表現するためのポイントの一つが歌い方です。

「サビは特になんですけど子供っぽいトーンで歌ってるんですね。 Aメロ Bメロがぼやいているというか溜息交じりに(現在の自分が)歌ってるんですけど、サビでは、自分の中の昔の気持ちに戻って子供っぽく明るいトーンで歌っているんです」つまり、大人と子どもの気持ちを声で切り替えているんですね。

そして、子供っぽいトーンで歌っているのだけど「後ろで鳴っているバンドは、今の自分実年齢の大人のすごくしっとりとあえて盛り上がりすぎないビターなトーンで演奏して」

つまり過去を振り返った場所では子供っぽい歌い方で、しかし大人っぽい抑制されたアレンジの演奏で、大人になっても抑えがたい若さというコントラストを表現しているのだそうです。
ここで藤原さんは子供っぽい歌い方、口角をコントロールするやり方を実演。

そしてその大元となるメロディには、揺れ動く繊細な感情を表現するための仕掛けが隠されていました。

「この曲のサビの部分、普通だったら一番盛り上がるところですからメジャーコードの展開でグイグイ上げていくところなんですが、そこをあえてマイナーコードで展開して、すごく嬉しいんだけど心の中でどこか寂しい気持ちもあるという複雑な心情を表現しています

藤原さん、ここで『世界で一番素敵なLADY ah』と 実際に歌って比較。
圧倒的な素晴らしさとわかりやすさ。ちょっと感激するレベルでした。


私達がサラリと聞き流しているヒット曲はきっとどの曲にも、それぞれのアーティストの思いを乗せて、歌詞とメロディ、歌い方から演奏、細部に至るまで吟味され工夫され、たくさんの仕掛けが施されているのでしょう。

しかし、それをここまで明快に分解して思いを言葉として解説できる藤原さんの聡明さが素晴らしいと思います。

それ以上に、それをこの上なく楽しそうに話す藤原さんの姿には、自分たちの自慢の音楽を理解してほしいという強い思いが伝わります。それはいつも目の前にいる人たちに誠実に向き合って的確に伝えたいという、ヒゲダンの楽曲の魅力にも通じるように思いました。

今回、スタジオで振り返ったパーソナリティ二人は、そんな堂々たるインタビューに妙に盛り上がって、思い出話も尽きませんでした。


今日ご紹介したインタビューは、インディーズとはいえわずか3年前。
そこからあっという間に今日に至って、その間もものすごい勢いで貪欲に経験とスキルを積み重ねているのですから驚きです。

そんなOfficial髭男dismの現在は、今年2月にニューシングル『I LOVE…』をリリース。4月10日からは、2020年の『カルピスウォーター』のCMソングとしておなじみ『パラボラ』の配信がスタートしています。

CMソングということもあって、今回の「LADY」の頃のような強いメロディが印象的な楽曲。少し原点回帰を感じさせるようなナンバーでもありますね。

ここからのヒゲダンの活躍にも目が離せません。

ちなみに現在、延期を発表している『Official髭男dism Tour 2020 - Arena Travelers –』の全公演において希望する方にはチケットの払い戻しを実施しています。詳しくは公式WEBでご確認ください。

さて、今回の圧巻のOfficial髭男dismのインタビュー楽しんでいただけましたでしょうか。


次週はメジャーデビューした直後の、2018年6月16日のOfficial髭男dismのインタビューを振り返ります。




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