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2021年3月20日「マルコの卒業式」

いまから4年前のこと、ニューヨーク市立大学の男子学生・22歳のマルコは、いつものように地下鉄に乗って大学に向かっていました。
でもその日は特別な日。卒業式だったのです。
ところが乗っていた電車にトラブルが発生して緊急停車。
2時間経っても復旧せず、大学ではもう卒業式が行なわれています。

「どうしてこんな特別な日に…」とマルコは暗い気持ちになりますが、周りの乗客たちもイライラ。
せめて車内のムードを明るくしようと思ったマルコは周りにむかって
「僕の卒業式に来てくれてありがとう!」とジョークを言いました。
「それはどういう意味だい?」
事情を聞いた乗客たちは、こう提案します。
「それならいまここで卒業式をやろう!」

ある人は持っていたスケッチブックを切り貼りして卒業生が被るアカデミックキャップをこしらえ、ある人はスマートホンのスピーカーから卒業ソングを流します。

そして皆が見守る中、学長役を務める人が厳かに卒業の宣言をし、自分のスマートホンを恭しくマルコに授与。なんとその画面にはマルコ本人の卒業証書の画像が映し出されていました。
じつは密かに大学へ連絡を取り、写真を送ってもらっていたのです。

車内に響く「おめでとう」の声と拍手。
たくさんの人たちのやさしさに包まれ、マルコにとって一生忘れられない卒業式となったのです。