FM 福岡 FUKUOKA

2026年9月のテーマ 秋刀魚 ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「秋刀魚」です。



秋刀魚は、名前に「秋」の字が入っていることから分かるように、秋が旬の魚です。
日本の沖合からアメリカ沖まで、広範囲に分布していますが、日本付近では、南の沖合の黒潮で生まれ、成長とともに北上し、冷たい親潮にのって南下していきます。この南下するタイミングが一番脂がのった状態になり、8月に北海道沖から漁獲が始まり、三陸へと漁場が徐々に変わっていき、秋刀魚の季節到来となるわけです。
それでも最近は、海水温の上昇や日本に近い海域で他の魚が増えたため、秋刀魚が日本の近くで回遊しにくくなっていて、漁獲量が年々減ってきています。
今年の初物は1匹4,000円だったとかで、穏やかではありませんね。
まあ、今後の水揚げに期待したところです。

さて、日本で秋刀魚を当たり前に食べるようになったのは18世紀頃からで、とても歴史は浅いんです。
江戸時代まで、淡泊な魚のほうが好まれていて、こってりした魚は行燈などの油として使われていました。戻り鰹も食べない、大トロも口にしない江戸っ子らしい感じですね。
しかし、江戸中期になると庶民の間で脂ののった秋刀魚の美味しさに魅了されるようになり、広まっていきます。
それでも武士たちは、秋刀魚が刀に似ているだの、脂が健康に良くないだの、下品な魚だのといって食べなかったそうで、もったいないですよね。
落語の「目黒のさんま」も、そう言った世の中から生まれた話です。
ともあれ、立派な大衆魚となった秋刀魚は、美味しさだけではなく、栄養も豊富なことから、「さんまが出ると按摩が引っ込む」というダジャレのようなことわざまで登場しました。



秋刀魚を刺身で食べるようになったのは、この十数年のこと。
チルドや輸送の発展のお陰で、新鮮なものを食べられるようになったからです。
ちなみに、北海道では、秋刀魚の刺身は醤油に一味唐辛子を加えて頂くそうです。
他にも、秋刀魚には色々な食べ方があります。
あなたも今夜の食卓にいかがですか?