2026年7月のテーマ 茄子 ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「茄子」です。
茄子は、インド東部が原産だと言われていて、暑いほうが育ちやすく、太陽の光が強いほど色がきれいになる、夏の野菜です。
日本には中国大陸から入ってきて、東大寺正倉院文書には「天平勝宝2年(750年)に茄子が献上された」との記録が残っていて、奈良時代に、既に茄子を食べていた事が分かっています。
この「茄子」という言葉ですが、ちょっと酸味があるので「中が酸っぱい実」=「中酸実(なかすみ)」が変化したとか、「夏の実」=「夏実(なつみ)」が変化したなどと言われています。
さて、茄子は世界で愛されている食材で、各国に伝統料理があります。
まずは、皆さんご存じのイタリアのカポナータ。
シチリア島の伝統料理で、茄子の他に様々な野菜を使ったトマト煮込みです。
同じようなものでフランスのラタトゥイユもあります。
温かいものもいいですが、暑い夏に冷やしてさっぱりと食べるのもいいですね。
ギリシャのムサカは、茄子と挽肉とベシャメルソースなどを重ね焼きしたオーブン料理です。トルコのカルヌヤルクは、茄子を縦に半分に切って切り込みを入れ、挽肉や玉葱、トマトなどの具材を詰めてオーブンで焼いたもの。ルーマニアの「サラタ・デ・ヴィネテ」は、焼いた茄子の皮をむいてペースト状にし、玉葱などと和えたもの。タイには、焼き茄子のサラダである「ヤム マクア」、中国には、「魚香茄子」という、茄子と挽肉を炒めた四川料理がありますが、日本ではこれを「麻婆茄子」と言っていますね。
さて、昔から初夢に見たらいい縁起物としてランクインしている茄子ですが、徳川家康が大好きだったのは有名な話です。そこで、全国各地の藩が将軍家に献上しようと競うように育てていってできたのが今でも残る茄子の伝統野菜です。しかも、いかに他の藩よりも早く初物を出せるかということで、油紙で保温栽培して早出しする技術も生まれ、なんと4月には各藩が列をなして献上していました。
その過熱ぶりに茄子の価格もどんどん上昇していき、庶民が食べられなくなると幕府が禁止したこともあったようです。
今では手頃な値段で美味しく頂ける茄子。
縁起を担いでたくさん食べて、夏を乗り切りたいものですね。
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