2026年6月のテーマ 鰻 ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鰻」です。
鰻は、胸の部分が黄色がかっていて「胸が黄色い」ことから、「むなき」となり、それがなまって「うなぎ」となったと言われています。
漢字に至っては、古代中国で細長く伸びる蔓のようだということで、魚偏に蔓を当ててできたものです。
この「むなぎ」と言うのは、万葉集にも登場していて、大伴家持が吉田連老の夏痩せを笑った一句で、「石麻呂に 吾れもの申す夏痩せに よしといふものぞ むなぎとり召せ」とか「痩す痩すも 生けらばあらむを はたやはた 鰻を捕ると 川に流るな」などがあり、はるか昔から鰻の滋養強壮としての効果を認めていたことが分かります。
ただ、この時はもっぱら塩焼きで、それに飽きた人たちが、醤油や味噌、酒を調味料にするなどアレンジを始め、関東の濃厚な醤油をつけて焼くようになったのは、室町時代のこと。
その姿が「蒲の穂」に似ていたり、「かんばしい」香りがすることから、「蒲焼き」と言われるようになります。これが大変美味しくて全国に広まっていきました。
ただ、そのシンプルな調理法ゆえに美味しく仕上げるのは、難しいということで、「串打ち三年、裂き八年、焼きは一生」と言われたり、関東と関西で作り方が違ったりなど、色々とこだわりが多いのも、鰻ならでは。
関西は、一般的な魚と同じように腹開きして串打ちし、白焼きした後にタレを塗る「地焼き」という方法ですが、関東では背開きして串打ちし、白焼きした後に蒸して、タレをつけて焼きます。しかし蒸すと身がもろくなるので、薄い腹側は串から崩れて外れやすくなります。だから関東では、身が厚い背側が両端にくるように背開きにしたんですね。
他にも、関西では頭も付けたまま焼き、頭は酒のつまみとして頂きますが、関東では蒸し器に入れるため邪魔な頭は落としますし、関西では長い金串を使いますが、関東では短い竹串を使います。蒸すか蒸さないかだけでこんなに違いがあるんですね。
さて、この蒸す工程ですが、関東の鰻は硬いだの、江戸っ子は脂がのりすぎなのを嫌ったなどが理由と言われていますが、実は気が短い江戸っ子に早く提供するためだったという説もあります。蒸したものを店頭に並べておき、注文が入ったらサッと炙って提供することで時短になります。博多のうどんの湯がき玉と同じですね。
ともあれ、今年も暑い日が続きそうです。
栄養たっぷりの鰻を食べて、夏バテ知らずで元気に過ごしたいものですね。
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