FM 福岡 FUKUOKA

2026年2月のテーマ 牡蠣 ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「牡蠣」です。



この寒い時期、「海のミルク」とも言われ、栄養満点な牡蠣を食べて元気になりたいですよね。
一般的にむき身で売られている牡蠣には、「加熱用」と「生食用」がありますが、これは鮮度の違いではなく、「採取海域」「浄化処理」「出荷時の衛生管理」という規定の違いによるものです。これらの基準を満たせば「生食用」になり、満たさなければ「加熱用」になります。
また、殻付き牡蠣は、店先でそのまま売られていることが多いですが、これは水のない状態でも適温で3日から5日は生きるからなんです。フランスの牡蠣の名産地オレロン島には、なんと、殻付き牡蠣の自動販売機まであります。このあたりも、「牡蠣で元気になる」謂れでしょうか。そんな殻付き牡蠣を選ぶ時は、しっかり殻を閉じていて、持った時に重みを感じ、磯の香りがするものにしましょう。

その牡蠣を使った料理の一つで、「土手鍋」ってありますよね。
これは、鍋の縁に味噌を土手のように塗るからではないようです。
昔から牡蠣の養殖が盛んだった広島。その牡蠣を売るために利用したのが船でした。特に大きな市場である大阪は、水路も多く、船を使って運ぶのに便利です。また、運ぶだけではなく、船の中で新鮮な牡蠣を食べさせることもあったようです。つまり、出張牡蠣小屋みたいな感じでしょうか。その船の中で出されていたのが、この土手鍋。つまり、土手に停泊中の船の中で食べる鍋だから「土手鍋」ということです。



そして、牡蠣が好きなのは何も日本人に限ったことではありません。
例えば、ローマの英雄ジュリアス・シーザーはテムズ川で採れた牡蠣が欲しかったからイギリスまで遠征したとか、ナポレオンは戦場でも牡蠣を食べていたと言われています。
また、英語には、「The world is one's oyster.」で、「世界はあなたの思い通りだ」という慣用句がありますが、これは、シェークスピアの作品「ウィンザーの陽気な女房たち」の中に出てくるセリフがもとになっています。まさに、自分の力でチャンスをつかむ時に使う言葉です。もともと「オイスター」には、「何かが入っている器を開ける」という意味があり、昔の人は、牡蠣の殻を開ける度に、「大きい!」「小さかった残念!」とか、一喜一憂していたのでしょうか?だとしたら、私は、大きな牡蠣を見つけて「The world is one's oyster.」になりたいものですね。