FM 福岡 FUKUOKA

2025年8月のテーマ イカ ③

この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「イカ」です。


中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。

中村調理製菓専門学校

福岡市中央区平尾2-1-21
092-523-0411
https://chori.nakamura-s.ac.jp/

◆日本で獲れるイカの種類について
イカは季節、地方によって旬が違い、呼び名もいろいろあります。
最も身近なスルメイカ、高級品種のアオリイカやヤリイカ、南の方で獲れる大型のソデイカやコブシメ、小型のヒイカやホタルイカなどが良く食べられます。

◆イカを家庭でさばくときのポイントを教えてください
イカをさばく時は墨袋を破らないように注意が必要です。
イカの胴体の表側の部分、軟骨がある方に包丁を入れて開きにし、ゲソと内臓を取り除きますが、その際に先に墨袋を除去しておくと良いでしょう。墨袋が破れてしまった場合はすぐに流水で洗い流します。イカの表面は厚い皮で覆われていますので、皮を剥く前に流水で洗い流せば皮を剥いた後の身の味にも影響しません。皮を剥いた後の身は水に触れると水っぽくなるので注意してください。



◆イカを美味しく頂くには、どうすれば良いでしょうか?
イカ類には魚のように小骨などがないため家庭で調理しやすい食材と言えます。
刺身でいえば鮮度のよいイカの魅力はコリコリとした食感です。ただし鮮度の良いイカは甘みに欠けます。イカは下処理をしてから時間を置いたほうが、食感も軟らかくなり甘みが増します。またイカの表面に細かく包丁目を入れることでより柔らかな食感になります。天ぷらや炒め物なども、表面に切り目を入れることで、加熱による身の縮みを抑えられますので、家庭で調理する時はこの「表面に切り目を入れる」というのを意識してみてください。


◆先生だから知っている「イカ」の豆知識
近年、イカの価格が高騰しています。この一因として養殖が実用化されていない点が考えられます。イカは非常に繊細な生き物です。水槽内で壁や網に衝突して死んでしまう、活きた魚を捕食する習性があるために莫大な餌代が必要になるなどの問題があるようです。現在は様々な研究機関が実験を繰り返して完全養殖を目指しており、飲食店や家庭で需要の大きいイカが安定して供給されるようになる日を心待ちにしています。