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2025年2月のテーマ ちりめんじゃこ ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「ちりめんじゃこ」です。



ちりめんじゃこは、主にイワシの稚魚を干したものになります。
同じように小さい魚で言うと、小女子はイカナゴともいい別の魚です。
「白魚(しらうお)」はシラウオ科の魚で、春になると博多で踊り食いする「素魚(しろうお)」はハゼ科の魚です。
「じゃこ」は、「ざこ」と一緒で小さい魚のこと。
「ちりめん」は、平らに広げて干している様子が絹織物の「縮緬」に似ていることから、名付けられました。

一般的には、生のものを「しらす」、茹でたものを「釜揚げしらす」、半生に干したものを「しらす干し」、しっかり干したものを「ちりめんじゃこ」と言って区別します。
また、大きさによっても名前が変わり、一番小さな鱗がないものを「ちりめんじゃこ」、そこから大きくなるにつれて、「ちりめんかえり」、「かえりちりめん」、「田作り、または、ごまめ」、「煮干し」となっていきます。
製法だけではなく大きさによっても区別するなんて、昔の人はとてもこだわって使分けていたんですね。

そして、青いもの、黒いもの、黄色いものがあって、これは鮮度による違いではなく産地によるものです。ですから、この色を目安にすると、お好みのちりめんじゃこを覚えることができます。

ちりめんじゃこになる主なイワシはカタクチイワシですが、成長すると3日に1回くらいの割合で産卵しているので、年中しらすを獲ることができます。



このちりめんじゃこの素となるしらすですが、日本以外にも食べられていて、中国はもちろん、イタリアでは「Bianchetti(ビアンケッティ)」と言ってピザやパスタなどにも使われていますし、あのアンチョビもカタクチイワシですから、なんだかシンパシーを感じますね。

ところで、西日本の一部の地域に古くからある習慣で、「節分いわし」というものがあります。柊と一緒にいわしの頭を玄関に飾り、いわしの独特なにおいをさせることで、邪気を払うという意味が込められています。また、同じようにいわしを食べることで、無病息災を祈る地域もあるのだとか。
今月は、いわしの稚魚であるしらす、そして、ちりめんじゃこを食べて、邪気払い、健康を祈ってみませんか?