2024年12月のテーマ 蟹 ③
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「蟹」です。
中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。
中村調理製菓専門学校
福岡市中央区平尾2-1-21
https://chori.nakamura-s.ac.jp/
◆蟹の栄養について
カニは高たんぱく・低カロリーな食材です。
タウリンが多く含まれており、タウリンには肝臓や心臓の機能を高めたり、コレステロールの吸収を抑えたりする働きがあります。
また、ビタミンB12が多く含まれており、赤血球の生成や神経系統を健康に保つ働きがあります。
◆日本で食べられている蟹の品種や特徴、ブランドについて
日本ではズワイガニ、タラバガニ、毛ガニが三大ガニと呼ばれます。
九州地方でカニと言えばワタリガニを思い浮かべる方も多いかと思います。
特に人気の高い国産のズワイガニは近年、漁獲量減少、需要の増加に伴い、価格が高騰していました。ただ今シーズンは豊漁なようで連日、ニュースを賑わせていますね。
◆蟹を料理する時のポイント
年末に家庭で取り扱うことも多い冷凍状態の蟹の解凍方法についてご紹介します。
冷凍の蟹には2種類あります。
「生の状態で冷凍したもの」と「ボイルして冷凍したもの」です。
ボイルした冷凍蟹は、冷凍庫から冷蔵庫に移し、時間をかけてゆっくり解凍をしてください。急な温度変化により、旨味を含んだ水分が外に押し出されてしまうためです。
それに対して、加熱せずに生の状態で冷凍された蟹は流水解凍や氷水での解凍をお勧めします。生の蟹は品質劣化が早く、解凍されるとすぐに劣化が始まります。流水で時間をかけずに解凍する、もしくは氷水で低温を保って品質の劣化を抑えながら解凍すると良いです。流水、氷水を使用する解凍方法では、袋に入れるなどして蟹が直接水に触れないようにしてください。
◆先生だから知っている「蟹」の豆知識など
日本でも大変人気のある韓国料理のカンジャンケジャン、ワタリガニの醤油漬けですが、韓国では一度冷凍したワタリガニを漬けることが多いようです。
日本人であれば「冷凍していない蟹より活きた蟹を使う方が良い」と考える方も多いと思いますが、カンジャンケジャンに関していえば、一度冷凍した蟹を漬け込むことで、味の染み込みが良くなります。また寄生虫の対策にもなります安全性も向上します。
私は仕事の都合で3年ほど韓国ソウルに住んでいましたが、カンジャンケジャンが好きで、様々なお店のものを食べました。
非常に専門性の高い料理で、お店によって味が大きく変わります。
ソウルの高級エリアとして有名なカンナム区のシンサというグルメな街に「カンジャンケジャン通り」という専門店が集まった場所があるのですが、そこで食べたカンジャンケジャンの味に非常に感動したことを覚えています。
韓国へ旅行の際は、是非、食べて頂きたい一品です。