FM 福岡 FUKUOKA

2024年9月のテーマ 鯖 ③

この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鯖」です。


中村調理製菓専門学校 日本料理担当 島村公大先生にお伺いしました。

中村調理製菓専門学校

福岡市中央区平尾2-1-21
092-523-0411
https://chori.nakamura-s.ac.jp/

◆鯖の栄養について
鯖はたんぱく質やビタミンが豊富で栄養が豊富な食材です。
青背のお魚に多く含まれるDHAは血流をよくし、脳の細胞を活性化させます。
昔、「鯖を食べると頭がよくなる」なんて迷信のように言われていましたが、あながち大げさではないかもしれません。

◆日本や世界の鯖を使った料理
鯖は鮮度の良いものは刺身で食べられますが、鯖の味噌煮、塩焼きなどが定番です。また、一夜干しや味醂干しなどの干物や缶詰などの加工品も多く流通しています。
世界の鯖料理ではトルコではパンに挟んだサバサンドなどが有名で、ヨーロッパではトマト煮や燻製などにされることが多いです。



◆鯖を料理する時のポイント
「鯖の生き腐れ」とい言葉があるほど鮮度が落ちやすい魚です。
鯖は一年中流通していますが、日本で一番流通量の多い真鯖の旬は晩秋から冬で、寒い時期にかけて脂がのり美味しくなります。
産卵期は初夏で、産卵後にはかなり味が落ちます。
この味の落ちた時期は国産のものを避け、冷凍であっても脂ののったノルウェー産などの輸入のものを選択することも一つの手かと思います。

◆先生だから知っている「鯖」の豆知識
福岡を含む九州北部では、生鯖を食べる習慣があります。
近年の研究で明らかになったことですが、太平洋側で獲れる鯖と日本海側の鯖は、食中毒の原因になるアニサキスという寄生虫の種類に違いがあり、日本海側で獲れる鯖には可食部にアニサキスが入り込む可能性が低いため、感染するリスクが低くなるとのことです。
福岡の先人たちは体感的にそれを理解していたのでしょうか。
アニサキスは-20℃で24時間凍結すると死滅しますので、スーパーで売られている冷凍もの、解凍物のしめ鯖などは極めて安全と言えます。