2024年7月のテーマ 鰻 ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「鰻」です。
7月と言えば、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣がありますね。
この土用の丑の日は、なにも夏に限ったものではありません。
2024年は、1月26日(金)、4月19日(金)、5月1日(水)、7月24日(水)、8月5日(月)、10月28日(月)と年に6回もあります。
「土用」というのは中国の五行に由来する季節ごとに決められた暦日のことで、季節の変わり目とされる立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ18日前からの期間のことを指します。そして、この期間の中で干支由来の12日を数えた際に「丑の日」にあたる日が「土用の丑の日」と呼ばれています。
そして、スタミナたっぷりな鰻と夏の「土用の丑の日」を結び付けて、験を担いで食べるようになったというわけです。
では、世界に目を向けて、鰻は食べられているのかどうかと言うと、色んな国で
食べられています。
お隣韓国は、日本の蒲焼きに近いタレ焼きがポピュラーです。
中国では、蒸したり焼いたり、揚げたりした料理があります。
ヨーロッパに移り、オランダやドイツは燻製にして、スペインはオイル煮に、イギリスは伝統料理で「うなぎのゼリー寄せ」があります。
フランスは、ワイン煮込みのマロットがあり、ベルギーには、ハーブやワインで煮込んだ「アンギーユ・オー・ヴェール」という料理があります。
アフリカのマダガスカルでは、豚肉と一緒に煮込み料理にします。
ただ、世界では日本と違って、開かずに筒切りすることが多いです。
©福岡県観光連盟
さて、日本では、一般的に関西風の蒲焼きと関東風の一度蒸す料理法が多いですが、福岡県柳川には「せいろ蒸し」がありますね。
これは、しっかりと焼いた鰻をタレが染みこんだ御飯の上にのせて、最後に蒸籠で蒸すという独特のものです。これは、鰻の脂がしっかりと御飯に移って独特の美味しさがあります。
ところで、鰻に合わせる薬味の定番と言えば山椒ですよね。
ピリッとした辛さや爽やかな香りが鰻に合うだけではなく、山椒には消化を助ける働きがあるため、脂ののった鰻にはまさにベストマッチングなんです。
また、名古屋名物ひつまぶしのように、山葵や胡麻、葱、大葉なども合うので、アレンジしてみるのもいいでしょう。
さあ、今年の夏の土用の丑の日は、7月24日と、8月5日です。
鰻を食べてスタミナをつけて、今年の夏を乗り切りましょう!