2024年1月のテーマ 明太子 ①
ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「明太子」です。
福岡の名物となっている明太子ですが、家計調査によると、日本の主要52都市の中で購入金額1位が福岡市、2位が北九州市です。
(家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング) https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html
どれだけ私たちが明太子を好んで食べているか分かりますね。
だいたい1年で30本ほどの消費になるので、2週間に1回は必ず食べている計算になります。
では、世界を見てみると、タラコを食べているのは、お隣韓国はもちろん、ロシア、イギリスには缶詰があったり、ギリシャ、フランスなどでは「タラマ」と言うタラコマヨネーズのようなものもあります。意外に世界でも人気なようです。
ちなみに、11年連続でミシュラン掲載のニューヨークにある博多料理専門店「HAKATA TONTON」では、明太子のことを「博多スパイシー・キャビア」と言って提供し、人気を博しています。
さて、明太子は、スケトウダラの卵を使った加工品です。
この「スケトウ」には、「大したことのない」という意味が含まれ、鮮度が落ちるのが早いため、身が食べられなかったことでこの名前になったと言われています。
しかし、マダラが不漁の時期に、スケトウダラを獲るようになると、まずは、冬の珍味だった卵を使った「タラコ」の一般食品化が進み、次いで、船の上で冷凍できるようになったため、その身も使えるようになりました。今では、蒲鉾などのすり身には欠かせないものなので、もう「大したことのない」とは言えません。
ところで、「スケトウダラ」が正式な呼び方ですが、中には「スケソウダラ」と思っている方もいるのではないでしょうか?実は戦時中にラジオで誤って読んだものがそのまま残っているのだとか。今でも「スケソウダラ」と思っている方、注意してください。
ではついでに、明太子に使う様々な言葉を覚えませんか?
まず、皮に張りがあり、きれいで破れがないものは「真子」と言います。あのドゲンジャーズにも登場するふくや公式キャラクター、明太子を世に広める活動を頑張る「MAKO」は、これが由来です。もう一人のキャラクター「切袴(キレコ)」は、形が不揃いなものや、端が少し切れている「切れ子」が由来なんですね。
そして、数え方ですが、「1本、2本」の他に、「1はら、2はら」とも言います。実は明太子の原料となるスケトウダラの卵は、対になった左右の卵巣の中にあり、2本で「ひとはら(1腹)」となります。贈答用などで使われる明太子は、この「1はら」になっているものが多いですね。
日本では昔から赤い食べ物が邪気を払い、災いを裂ける縁起物として用いられてきました。新しい年を迎えた今、一年の幸運を祈って、明太子を食べてみませんか?