FM 福岡 FUKUOKA

2023年8月のテーマ シャコ ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「シャコ」です。



海老の遠い親戚になるシャコは、世界におよそ450種います。
茹でるとシャクナゲのような色になるからとか、捕まえるとピチピチ跳ねて癇癪を起しているように見えるからなどの理由で、昔は「シャクエビ」と呼んでいました。
福岡ではシャコですが、お隣の佐賀や長崎ではシャッパ、北海道ではガザエビと言います。

体長は15cmくらいで、平らな形をしていて、殻はとても硬く、水深30メートルから
50メートルほどの海底に住んでいます。

有名になったのは、江戸前寿司のネタになってからです。
昔は東京湾でたくさん獲れていて、寿司ネタの他に、単に茹でる、煮るなどして日常的に食べていて、子供のおやつなどにもなっていたようです。今では高級品なのでちょっと羨ましいですね。



シャコというと、釣りをする人から恐れられているのですが、なぜだか分かりますか?
英語で「かまきり海老」と言われるくらい特徴のあるシャコの爪。
実は、この爪から繰り出されるパンチが強烈過ぎて痛い目に合うからなんです。
シャコパンチは、秒速23メールなので、時速94キロにもなります。
これは、22口径の銃弾と同じスピードなので、当たるとひとたまりもありません。
さらに、あまりにも速過ぎるため、シャコが攻撃すると、音とともに海の中に気泡が生まれます。この泡が猛烈な勢いでつぶれ、衝撃波を作り出すというアニメのような技を持っているんです。扱うときは、爪などが割られないように注意してくださいね。

でも、その爪も美味しく頂くことができます。
そのままチュッチュと吸ってつまみにしたり、殻をとって軍艦巻きなどにします。
とても手間がかかるので、ありつけたらラッキーですね。

シャコと言えば、私たちはお寿司のネタくらいしか思い浮かびませんが、天ぷらや煮びたし、鍋物、味噌汁の具にする地域もあれば、岡山県では、郷土料理の「ばら寿司」にも使われています。
その中でも珍重されているのが、夏に卵を持っているメスのシャコ。これが、食べて歯ぎわりがよく風味があり、隠語で「カツブシ」と呼ばれています。
ちなみにオスメスの見分けは難しいのですが、お腹のある3本の手の内側に触覚のようなものがあれば、オスです。是非、手に取った時に試してみてください。

夏の季語にもなっているシャコ。
是非、旬を味わってみてください。