FM 福岡 FUKUOKA

2023年5月のテーマ アスパラガス ①

ふくおか グルメ手帖。
この番組では、毎月様々な食材を因数分解。
歴史雑学からプロに聞く扱い方、簡単レシピを紹介していきます。
今月の食材は、「アスパラガス」です。



アスパラガスの原産地は、南ヨーロッパと言われています。
古代エジプトでは高級食材として珍重され、細い茎の野生のアスパラガスでしたが、古代ギリシャやローマでは栽培されるようになり、品種改良が行われ、今のような茎が太いアスパラガスが誕生しました。

日本へは江戸時代に観賞用として入ってきましたが、明治になると食用として栽培されます。
当時は、ホワイトアスパラが主流でしたが、昭和40年以降は、グリーンアスパラが人気となります。

日本で主に出回るアスパラガスは、グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、紫アスパラ、ミニアスパラです。
ホワイトアスパラは、緑色のアスパラガスと同じ品種ですが、日光を遮断して育てるため、白いまま成長したものです。
ドイツでは、「Spargel(シュパーゲル)」といい、春の野菜の王様として大人気です。
紫アスパラは、甘味と香りがグリーンアスパラよりも強く、やわらかくてジューシー。
ミニアスパラは、小さいうちに早採りしたものなので、口当たりがやわらかで、皮を剥かなくても良いので、家庭で人気があります。

さて、アスパラガスの周りに付いている濃い緑色のヒラヒラは、何だと思いますか?
実はアレ、葉っぱなんです。
しかし、この葉っぱは、光合成できません。
では、どこで光合成するかというと茎で、ヒラヒラに覆われた若い芽が成長すると、葉っぱのようなものが現れます。
そこで思いっきり光合成するんです。
何だかややこしいですね。
ちなみに、アスパラガスは背丈が20センチくらいから収穫されていきますが、放って置いたら3メートルくらいにまでなります。
じゃあ、大きくなって収穫した方が良いかというと、50センチ以上に育ったら、固くて食べられません。
そして、この頃になると、白い花を咲かせ、赤い実もできます。
で、この実をまくと、芽が出てきますよ。

そして、アスパラガスと言えば、アスパラガスから発見された成分「アスパラギン酸」が有名ですよね。
疲労回復やスタミナ増強に良いと言われていますが、中世ヨーロッパでは、痛風に効く薬草として扱われていた時期もあるんですよ。
でも、意外にもプリン体が多いため、実際は逆効果です。

ところで、アスパラガスを好んで食べた人に、古代ローマのユリウス・カエサルがいます。
ユリウス・カエサルは、「来た、見た、勝った」「賽は投げられた」「ブルータス、お前もか」などの名言がありますけど、将軍として活躍したり、とてもナンパだったことは有名な話です。
この精力的な行動の源は、案外、アスパラガスだったのかもしれませんね。
私もアスパラガスを食べて、元気になるぞ!