BUTCH COUNTDOWN RADIO
放送日:2026-07-10(金) 地域:博多区
若松
- TEL
- 070-6595-7474
- 住所
- 福岡市博多区綱場町5-5
- ジャンル
- 和食
- オープン日
- 2026年5月18日
- 席数
- 8席(カウンターのみ)
- 営業時間
- 18:00~24:00 (最終入店21:00)
定休日:日曜・祝日(貸切営業の場合は振替休業あり)
- 調査日
- ■2026年6月29日
■天候 晴れ
■時間 18時30分
内容
今日ご紹介するのは、地下鉄呉服町駅の近くにオープンした日本料理のお店です。
和の雰囲気をもった腰板と塗壁に、小さく掲げられた看板があるので、すぐに分かります。
古い建物をリノベーションして仕立てられた店内は木目を基調にしていて、大きなカウンターの一枚板に凝った意匠の棚やちょっと懐かしい感じのタイルを使った壁など、
古いのに新しい、落ち着いた空間になっています。
店主の日浦さんは、唐津出身で「くんち」が大好き。
料亭「老松」で9年、「一本木 石橋」で3年修業し、
「お料理 山之口」、「料理屋もり尋」を経て、この店を独立オープン。この道20年。
この店で大事にしていることは、「日本料理を通して日本の文化や四季を伝えること」。
料理だけではなく、盛り付け、器、節句、年中行事までを含め、
日本人が昔から大切にしてきた文化を料理の中へ取り入れて表現しています。
食材は、信頼する業者から仕入れますが、市場へ出向いて、季節や旬を確認しています。
また、都会にいては季節感が薄れるため、自然の中へ足を運び、
空気・匂い・景色まで感じるよう心掛けているということです。
そのこだわりの一つが、器にのっている葉。
一般的な笹や大葉ではなく、栗の葉、ブルーベリーの葉など季節に応じた葉を使っています。
これは、葉の専門家から毎月提案を受け、器との相性まで考えながら選定したものです。
そして、閉店した名料亭から譲り受けた器も大切に使っていて、
料理だけでなく、日本料理の歴史も次世代へ受け継ぎたいという想いが込められています。
派手な演出はありませんが、日本の四季と文化を一皿に映し、静かに語る料理を楽しめるお店です。
チェック
12,000円のコースのみ
完全予約制で、2日前までの受付。1名様から可。
毎月献立は変わり、我々は6月の献立を頂いたので、参考にしてください
先付【手作り心太 雲丹添え】
市販品ではなく、天草を煮出して流し缶に入れて固めた、一から手作りの心太。
目の前に鰹と昆布の出汁が入った器と、天突きが出てきて、自分で押し出す。
この心太に添えるものとして雲丹、オクラ、
薬味として、あおさ、ラディッシュ、胡麻が出てくるので、お好みで。
柔らかな磯の香りが楽しめ、鰹節の力強い旨味と雲丹がよく合う。
暑い夏を感じさせる爽やかな先付。
八寸
夏らしく籠盛りで提供された。
内容は日替わりで、この日は、
「鮑柔らか煮とジュンサイ、青ずいき、そうめんうりの土佐酢」、「穴子寿司」、「車海老とアスパラガスの胡麻和え」、「つぶ貝旨煮」、「枝豆塩茹で」、「薩摩芋の酢橘煮」、「水無月豆腐」。
「鮑柔らか煮とジュンサイ、青ずいき、そうめんうりの土佐酢」は、鮑をじっくり柔らかく炊き上げ、
旬のジュンサイ、青ずいき(蓮芋)、麺状にほぐしたそうめんうりに、土佐酢をかけ、山葵を添えて出てきた。
鮑の旨味とジュンサイのツルリとした食感、青ずいきのサクサクした食感が調和。
土佐酢の酸味は柔らかく、鰹の旨味をしっかり感じられる味付けで、夏らしい涼感を演出した一品。
「穴子寿司」は一口サイズだが、フワッとした身にしっかりした味付けで食べ応えがある。
「車海老とアスパラガスの胡麻和え」は、茹でた車海老とアスパラガスを同じ大きさに切り揃え、
香り高い胡麻で和えたもので、車海老の甘味と胡麻のコクが楽しめる。
海老とアスパラガスの食感のコントラストも良い。
「つぶ貝旨煮」は、真つぶ貝を一度水から茹でて引き上げ、出汁、醤油、味醂などを使って旨煮する。
こうすることで、肝まできれいに外れやすくなるとのこと。噛むほどにつぶ貝の旨味が広がる。
「枝豆塩茹で」は、シンプルだからこそ素材の味が活きている夏の定番。
「薩摩芋の酢橘煮」は、蜜煮を応用したもの。薩摩芋を甘く炊き、酢橘を加えて夏らしい爽やかな後味に。
「水無月豆腐」は、取材に行った次の日、6月30日の「夏越祓(なごしのはらえ)」にちなんだ一品。
1年のちょうど折り返しにあたるこの日に、半年の罪や穢れを祓い、
残り半年の無病息災を祈願する神事が、「夏越祓」。
この行事に用いられるのが、京都の6月の代表的な和菓子「水無月」で、
白色の外郎生地に小豆をのせ、三角形に切ったもの。
本来は、貴族たちが氷を口にして暑気を払い行っていたが、
氷が高価だったために代用としてできたのが、この和菓子の水無月。
三角形は氷の形を表わし、小豆は魔除けの意味がある。
その外郎を胡麻豆腐に変え、小豆をのせたのが水無月豆腐で、胡麻の香りが良かった。
この籠盛りに使われていたのが、栗の葉、ブルーベリーの葉、楓の葉で、新緑を感じる演出となっている。
椀物【太刀魚と冬瓜】
かなり肉厚で大ぶりの神奈川産の太刀魚を焼き、皮目の香ばしさ、脂の旨味、身の甘味を引き出す。
冬瓜は薄切りして下茹でし、出汁を含ませる。
太刀魚と冬瓜、ワカメを器に盛り、昆布と血合い抜き本枯節を使った一番出汁で満たし、
白髪葱と木の芽を収めて出てきた。
一口目に出汁を頂くと上品な仕上がり。
太刀魚の脂は美味しいが、身をほぐすと、焼いた皮目の香ばしさと脂が出汁へ溶け込み、
揚げ浸しみたいな感じに料理の印象が大きく変化する。
薄くして固めに火を入れることで感じる冬瓜の瑞々しさも良かった。
木の芽の爽やかな香りが、お椀全体を引き締めてくれる。
ちなみに、この一品に使ったのは、閉店した料亭から譲り受けた器だった。
お造り
こちらには、清涼な香りがある青々としたヤシャブシの葉が添えられていた。
この日は、玄界灘産のヒラメ、島根県浜田市のブランド「どんちっちアジ」、ヤリイカ。
玄界灘産のヒラメは、福岡らしい天然の近海物で、身質が締まっていた。
厚すぎず薄すぎない平造りの美しい切り付けで、噛むほどに旨味が広がる。
「どんちっちアジ」は、島根県浜田市のブランドになり、
概ね4~9月の旬のもので、脂肪含有量が平均10%以上という真あじ。
背側と腹側の2貫あり、背側には鹿の子包丁を入れ、
脂ののった腹側との対比を楽しめるようにしていた。
ヤリイカは、今では珍しくなった古典技法で、海苔を巻きこむ「鳴門造り」
見た目にも美しく、海苔の香りがヤリイカの甘味を引き立ててくれる。
単に素材の良さだけではなく、仕事を食べさせる和食らしい考えが活かされ、三つの個性を楽しめた。
焼物【真名鰹の味噌漬け】
西日本では夏が旬とされる高級魚の真名鰹を米味噌に漬けて、焼いたもの。
皮目には包丁で筋を入れて焼いていて、身は味噌の旨味も含んで膨らみ、しっとりプリプリ。
焼けた味噌の香りと真名鰹の脂が良い。
それに汲み上げた生湯葉と木の芽を添え、出汁を張って出てきた。
焼き魚だけを出すのではなく、出汁と合わせることで、日本料理らしい上品な仕上がりとなる。
湯葉に包んで真名鰹を頂くと、味噌のコクがやわらぎ、上品な余韻が残る。
煮物【石川小芋と蛸の炊き合わせ】
石川小芋は、通常の里芋よりもきめ細かく、ねっとりとした食感と濃厚なコクが特徴の高級ブランド里芋。
それを、昆布出汁と塩だけで炊いて、芋本来の香りと甘味を生かす仕上げ。
蛸は一度冷凍し柔らかさを引き出してから、水、砂糖、濃口醤油だけで炊き、
蛸本来の弾力や食感も残すために、少し厚めに切って提供。
なぜ蛸を出したのかというと、7月2日からが「半夏生(はんげしょう)」だったから。
半夏生は、二十四節気の一つ、夏至から数えて11日目にあたる日から七夕(7月7日)までの5日間を指す。
関西地方では、田んぼの豊作を祈り、半夏生にタコを食べる習慣が古くからあり、それにあやかったため。
他に、茄子、南瓜、万願寺唐辛子も入っていたが、
茄子は一度揚げることで出汁とのなじみも良くなり、南瓜と万願寺唐辛子も別で下ごしらえ。
それぞれを最適な状態に仕上げて炊き合わせる、職人の技術が凝縮された、手間の掛かる一品。
最後に鰹出汁に薄口醤油と味醂で味を付けた銀餡をかけ、振り柚子をしていて、香りも良い。
揚物【甘鯛フライ】
天ぷらはよく見かけるが、フライにするのは珍しい。
鐘崎産の甘鯛は、鱗を取り除き、軽く塩をしてなじませ、パン粉を付けて揚げる。
衣は厚くなく、温度管理も絶妙で、身がふっくらしていて、甘鯛ならではの繊細な甘味が際立つ。
酢橘と塩を添えているので、お好みで。
天ぷらとは異なる甘鯛の魅力が味わえる。
強肴【イチジク 白和え】
走りであるイチジクを使い、肉料理の前に口をリセットする役割がある。
和え衣というより、ソースと合わせたような感じ。
イチジクが甘過ぎず、爽やかな酸味と白和えのコクで、次の料理へ自然につながるようになっている。
肉料理【牛イチボ肉の炭火焼】
牛イチボ肉は、ランプにお尻の外側から被さる部位で、柔らかく上品な味わいが特徴。
炭火で数回に分けて休ませながら火入れし、肉汁を閉じ込めながら中までじっくり火を通していく。
かかっていたのは山椒を炊いて作った山椒醤油で、和食らしい爽やかな香りでまとめていた。
赤身の旨味があり、脂が重たすぎないので、他の料理とのバランスもよい。
しっかりとボリュームもあった。
食事【炊きたて白御飯】
羽釜を使った炊き立ての白御飯(さがびより)と、
きゅうり、大根、ニンジンの漬物、炊いたちりめんじゃこ、豆腐とあおさの味噌汁が出てくる。
最初は小盛りで出てくるので、まずはそのまま白御飯で頂き、米本来の香りと甘味を楽しむ。
2杯目からは、アレンジへと展開することも可能。
アレンジの内容は、卵かけ御飯、削りたて鰹節の定番2種と、季節限定のものになる。
卵かけ御飯は、全卵と醤油が出てきて、自分でかき混ぜて頂く。卵の甘さが良い。
削りたて鰹節は、醤油を少し垂らして頂くと、温められて立ち上る鰹の風味が良い。
季節限定は、時期によって生しらすなどもあるが、この日は、鰻の佃煮。
醤油、砂糖、味醂などで甘辛く煮詰めた鰻は味も濃く、良いご飯のお供になる。
鰻の佃煮はさらにお茶漬けにすることもできて、御飯の上に刻み海苔をのせ、
鰻をのせて、頂いた煎茶を回しかけて頂くと、サラサラをかきこめて良い。
水物【白胡麻プリン】
白胡麻プリンの器には、蓋代わりに桂の葉がかけられて出てきた。
桂の葉は、ほんのり甘い香りがして、デザートにはぴったり。
自家製の白胡麻プリンは、口当たりが滑らかで、ふんわりと胡麻の香りが広がる。、
その上に炊いた黒豆と黒蜜がかかっていたが、すっきりとした程よい甘さだった。
■■攻略法■■
座席数が少ないので、行く日が決まったら早めに電話予約するべし。
■■チョッチュ■■
料理が季節に合わせて出てくるので、お酒も季節によって変わるおススメのものがあるといいなぁ。
■■オススメ店■■
日浦さん 中央区春吉 「お料理 山之口」
■■その他■■
客単価 : コースと飲んだだけ
ビールは、700円から
ウイスキーは750円から
焼酎は650円から
日本酒は、半合600円から、1合1,000円から
ワインは、グラス1,000円から、ボトル6,800円から