BUTCH COUNTDOWN RADIO
放送日:2024-11-29(金) 地域:中央区高砂
日本料理 るふ
- TEL
- 092-233-5942
- 住所
- 福岡市中央区高砂1丁目4-13
ノーヴァルーチェ高砂102
- ジャンル
- 和食
- オープン日
- 2023年8月1日
- 席数
- 6席(カウンターのみ)
- 営業時間
- 11:30~最終入店20:00(完全予約制)
定休日:不定休
- 調査日
- ■2024年11月15日
■天候 くもり
■時間 19時30分
内容
今日ご紹介するのは、FM福岡からもすぐ、日赤通りから少し入った場所にあるイノベーティブな日本料理のお店です。
少し小路を入った場所にあり、大きく真っ白な暖簾が目印。
モノトーンを基調とした店内は、カウンター6席のみと贅沢な空間の使い方をしていて、ゆったり寛げます。
店主の長谷川さんは北海道出身で、一度サラリーマンになりますが、飲食の道へ。
東京のイタリアン、オーストラリアで和食、そして、鹿児島の和食店などで修業を重ね、この店で独立オープン。
この道10年。
食材は、店をオープンするにあたり全国あちこちに行った伝手で仕入れたり、
鹿児島からの直送、魚介類は長浜や柳橋などで仕入れています。
コンセプトは、日本料理のイノベーション。
海外で勉強している時に感じた「日本人に受け入れられない日本料理」の違和感をなんとかしたいと思い、日本でも海外でも受け入れられるような日本料理を作りたいと思ったのが出発点です。
伝統的な日本料理の手法に、減圧調理や分子調理などの高度な調理法も加え、
和食の多様性を広げ、五感で楽しむ料理を提供しています。
器や箸にも凝っていて、有田焼の「金善製陶所」や「陶悦窯」、ガラスは「RIEDEL」や「Sghr スガハラ」などを使用。
箸は、熊本県にある箸屋「ヤマチク」のもので、使い終わったら洗ってくれて、持ち帰ることができます。
前日までの要予約ですが、お店はお昼からアイドルタイムなしで自由に時間が選べて、
お昼は伝統的な懐石になり、夜はイノベーティブなコース料理になります。
アクセスが良い場所にあり、ちょっと特別な空間と料理を味わえる、デートにもぴったりなお店です。
チェック
コースのみ。要前日までの予約。1名様から可。
「OMAKASEコース8品」(9800円)
「OMAKASEコース12品」(14800円)
総額にサービス料10%が加算される
我々は、「OMAKASEコース8品」(9800円)を頼んだ
「OMAKASEコース8品」(9800円)
テーブルに、その日のメニューがセッティングされていた。
1品目「落ち葉」、2品目「マッシュルーム」、3品目「旬魚」、4品目「豆乳」、5品目「黒牛」、
6品目「卵」、7品目「米」、8品目「茶菓子」。
1品目「季節の前菜」【秋の落ち葉】
中にウッドチップ、朴葉、松ぼっくり、いが栗などを配したガラスのジュエリーボックスが器代わり。
その上に、落ち葉を模したサツマイモをのせていた。
鹿児島県産のサツマイモは皮をむき、クタクタになるまでボイルして、
鰹節と昆布でとった出汁で伸ばしながら、ミキサーにかけて、裏ごし。
厚さ2mmの薄いシート状にして1日乾燥させ、落ち葉の形にカットして素揚げする。
レーザーで葉脈の模様を作っていて、美しい黄金色で本物の落ち葉そっくり。
サツマイモの自然な甘さが引き立ち、香ばしさがアクセントになっている。
秋の自然を彷彿とさせる演出で、視覚や香りとともに秋の自然を「体験」する感覚に変わる料理。
2品目「マッシュルーム」【海老と葛豆腐】
スライスしたマッシュルームを太白胡麻油でソテーし、塩を打って水分を抜く。
鰹節と昆布でとった出汁、甘口醤油を加えて煮込み、無塩バターのコクを足す。
それをミキサーにかけて裏ごしし、牛乳、生クリーム、本葛粉を加えて、
火にかけて練り上げ、型に入れて冷やし固め、葛豆腐にする。
長崎産車海老は、鯖節、鰹節と昆布でとった出汁、佐賀産新生姜の絞り汁でサッと湯がき、殻を剥く。
葛豆腐にカットした海老、ピーテンドリル、砕いたナッツを添えていた。
プリプリの海老の味に淡いマッシュルームの味わいで出汁の旨味もしっかり感じる一品。
深みのある赤いプレートに盛り付けることで料理全体の色味を際立たせ、
ミニマルデザインのシンプルな盛り付けで、食材そのものの美しさを強調している。
3品目「旬魚」【ヒラメとズッキーニ】
玄海産の天然ヒラメは、5枚に卸す。
頭と骨などのアラは、150度で40分間、パリッとなるまで焼き、
2時間かけてスープをとり、塩、薄口を加えて味を調える。
ヒラメの身は減圧加熱調理して、アラでとったスープを細胞の中に入れ込んでいく。
ズッキーニは、ミネラルウォーター、柚子、カボスの果汁を絞り、減圧加熱調理して味を入れ込んでいる。
ヒラメ、ズッキーニを薄く切って、交互に巻いて、花のように飾っていた。
梅肉、塩山葵、椎茸で作った醤油を添えているので、お好みで。
椎茸で作った醤油は、ソテーした椎茸と醤油、オイルをミキサーにかけたドレッシング風なもの。
ヒラメ丸ごとの優しい旨味に柑橘のさっぱりとした味付けで、薬味のアクセントも良い。
4品目「豆乳」【松茸と豆乳の葛饅頭の銀餡かけ】
これはストレートに伝統的な料理法の一品。
昆布出汁を加えて沸かした豆乳と葛粉、練り胡麻を練り合わせて、丸めて冷やしたものを揚げる。
松茸は、シンプルに出汁で炊く。
器に葛饅頭と松茸を盛り付け、銀餡をかけ、木の芽とクコの実を添え、粉山椒を振る。
豆乳の甘さとほんのりとした出汁の味が松茸の味と香りを邪魔せずに良いコンビネーションになっている。
ふっと香る山椒も良い。
5品目「黒牛」【鹿児島産黒毛和牛と食べられる折り鶴】
鹿児島産黒毛和牛のシャトーブリアンは、
この店で少し熟成させ、減圧加熱調理で鰹節と昆布の出汁を入れ込む。
周りを焼き固め、低温加熱でじっくり火を通し、食べやすい大きさにカットして盛り付ける。
それに洋風にアレンジしたすき焼きソースをかけていた。
醤油、砂糖、味醂などで一度すき焼きのタレを作り、ワイン、バルサミコを加えて煮詰めたもの。
塩と山葵を添えているので、お好みで。
動物性の旨味に魚介の旨味が重なり複雑な味わいの肉は、脂も程よく美味しい。
「食べられる折り鶴」は、ニンジンを茹でてミキサーにかけて裏ごし。
それを厚さ1mmに伸ばして1日乾燥させ、正方形にカットして折り、さらに乾燥させたもの。
日本文化の象徴である折り紙を食材に変換し、
視覚と味覚の両面で楽しませてくれる「食べられる折り鶴」のサプライズも良い。
6品目「卵」【たっぷりイクラの茶碗蒸し】
シンプルに茶碗蒸しを作り、その上に自家製イクラの出汁漬けをたっぷりのせて出てくる。
アクセントに山葵と柚子を添えていた。
滑らかな舌触りと優しい味わいの茶碗蒸しは、出汁であっさりした漬けたイクラの味にも合い、
見た目にもキレイな一品。
7品目「米」【黒トリュフの土鍋ご飯】
鯖節、鰹節、昆布で出汁をとる。
この店で出汁を取る時は、通常の1.5倍ほどの材料を使うので濃いものができる。
その出汁に、薄口醤油、味醂を合わせて土鍋で米を炊くのだが、コク出しで無塩バターを加えている。
炊き上がったら、黒トリュフを御飯が見えなくなるくらい削りかけて、少し蒸らす。
卵黄を添えているので、お好みで「TKG」にすると良い。
それに、北海道産とろろ根昆布と、雲仙産なめこ、豆腐、三つ葉のお吸い物が出てきた。
こちらの出汁は、鯖節、鰹節、昆布に椎茸の出汁を使っていて、
バターに負けないようにしっかりした味。
8品目「茶菓子」
この日は、林檎の味醂煮、黒豆、白いんげん豆、金時豆、小豆で作った餡子を入れた最中。
最中の皮は、提供する前に炙ってパリッとさせていた。
それに八女の薄茶(抹茶)を添えて出てくる。
程よい甘さで、お茶の苦味にも合う。
■■攻略法■■
お酒を楽しむなら「OMAKASEコース8品」(9800円)、
お腹いっぱい食べたいなら「OMAKASEコース12品」(14800円)にするべし。
■■チョッチュ■■
お一人でやっているので大変なのは分かるのですが、もう少し料理を提供する間を詰めて欲しいなぁ。
■■オススメ店■■
長谷川さん 中央区高砂 「和味や 高砂」
■■その他■■
客単価 : コースと飲んだだけ。我々のように8品のコース(9800円)と飲んで15000円くらい
ビールは、瓶880円から。
ウイスキーは、1600円から。
焼酎は、880円から。
日本酒は、900円から。
ワインは、グラス1200円から、ボトル7800円から。
アルコール・ペアリング、飲み比べ、3杯セット、5杯セット、7杯セットなどもある