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ザ・メシュラン

放送日:2024-07-12(金) 地域:中央区

料理屋 もり尋

TEL
092-406-5082
住所
福岡市中央区春吉3-24-23 
HARUYOSHIスクエア202
ジャンル
和食
オープン日
2024年4月18日
席数
10席(カウンターのみ)
営業時間
17:00~24:00(L.O. 23:00)

定休日:不定休
調査日
■2024年6月28日
■天候 雨
■時間 20時15分
URL
https://www.instagram.com/ryouriya_morihiro4/

内容

今日ご紹介するのは、春吉大通りから少し入った場所にある和食のお店です。
新しい建物の外階段を上がると2階にあり、店内は和食らしいとてもすっきりした内装で、
オープンキッチン、L字型の白木のカウンター10席のみ。
厨房でテキパキ動く料理人の姿を見ながら料理を楽しめます。
店主の森さんは、中村調理製菓専門学校を卒業後、大阪の日本料理「作一」で13年修業。
東京の和食を3年経験した後、福岡の食材を勉強するために「白金にし田」で2年、
「警固 ふるや」の立ち上げの手伝いを経て、この店で独立。この道21年。
現在は、コースが主体となっていますが、
店主が本来やりたいのは大阪での修業先のようなアラカルトもたくさんあるお店。
ということで、巻物のようにずらりと料理が並んだメニューも見せて頂きました。
好きなものを好きな時間に好きなように食べて頂きたいと思っています。
アクセスが良い場所にあり、使いたいように使える、美味しい料理をゆったりと楽しめるお店です。

チェック

最初におまかせ3品4400円か、11000円のおまかせコースを選ぶ
その後は、好きなものをアラカルトで頼むことが出来る。
当日でも可だが、席数も少なく食材の準備もあるので、できれば事前予約が望ましい。

我々は、3人でおまかせ11000円のコースを頼んだ。

【たこの湯洗い緑酢ジュレ添え】
真蛸は塩揉みしてぬめりを取り、皮を剥いて、吸盤は出汁でサッと炊き、身は軽く湯通し。
身をガラスの器に盛り付け、糸南京(そうめん瓜)をのせ、柑橘系のジュレをかける。
その上に緑酢、吸盤をのせて出てくる。
この緑酢は、スーヨーきゅうりの種を取り除いて卸して汁気を切り、鰹のきいた酢と混ぜたもの。
蒸し暑いので、こういうさっぱりと酸味がきいたものを最初に出すようにしている。
蛸の弾力がある食感に、サクッとした糸南京の食感も良い。
緑酢の青さで見た目にも清涼感があり、香りと味も爽やか。

【お造り】
この日は4点盛りだった。
唐津産の鯛は産卵後なので淡泊だが、1日寝かせることで少しねっとりと旨味が増していた。
玄ちゃんアジは、軽く塩で締めていた。
それに、山口県産のケンサキイカ(ヤリイカ)、鐘崎産の紫雲丹。
醤油、山葵、酢橘、藻塩を添えているので、お好みで。

【イサキの炭炙り】
今が旬のイサキは、皮に炭を直にあてて焼き、炭の香りをさせる。
イサキを皿に盛り付け、粗目に切った新玉葱、小葱を添え、一味を振り、酢橘をかける。
一味は韓国産で、少し甘味もあり、香りが良い。
玉葱の香りと歯ごたえもあり、火を通した皮目も美味しい。

【茄子饅頭】
大阪の「えび芋名人」と言われる浅岡さんが育てた茄子を取り寄せ。
それを焼き茄子にしてスライスし、出汁に漬け、葛を混ぜて饅頭にする。
中に、甘辛く炊いた煮穴子(対馬産)を忍ばせ、揚げる。
器に饅頭を盛り、刻んだ茗荷を加えた銀餡をかけ、アクセントにオクラを添える。
茄子の食感や味が出ていて、中にちょっとしたサプライズもあって、良い。

【鮎の餅粉揚げ】
鮎は背開きにして背骨と内臓を取り除く。
鮎の身と内臓を、醤油と鮎魚?を合わせた漬け地に入れ、内臓の旨味も身に移す。
餅米をあたって粉々にしたものをふるいにかけ、細かな粒子のものだけを鮎の身につけて揚げる。
揚げたてを紙で包んで渡されるので、手で持ってかぶりつくと良い。
木の芽を加え、鰹をきかせた土佐酢が出てくるので、お好みで。酸味は控えめだった。
ライブ感もあり、楽しい。
鮎は皮目がパリッとサクサクで、中はふっくら仕上がり美味しい。

【じゅんさい】
前の料理が油ものだったので、冷たい酢の物で口を変えてもらう。
蓋つきの竹の形をした椀で出てきた。
今が旬の秋田産のじゅんさいに彩でマイクロトマトを添えた酢の物。
ただ、酢には鰹出汁を加えて酸味を抑え、そのまま飲めるくらいになっていた。
トマトの酸味とも相性が良く、さっぱりとなる一品。

【蒸し寿司】
蒸籠で登場し、目の前で蓋を開けてくれる。
赤酢を使った固めのシャリの上に、蒸してほぐした渡り蟹の身をのせ、蒸し上げる。
仕上げに固めにした生姜入りの銀餡をかけて艶を出し、木の芽を添えて、振り柚子する。
蓋を開けた時に立ち上る香りが良い。
蟹もしゃりも蒸してもバサバサにならず、ふっくらしていて美味しい。
ちょっとしたしのぎにもなる。

【イチジクの白がけ】
豆腐に少しの出汁と調味料を加えてクリーミーに仕上げたものを、イチジクにかける。
和えるのではなく、かけるのがポイント。
香りづけで、国産レモンの皮を削りかける。
イチジクの甘味と食感を邪魔せず、まろやかに仕上がっている。

【甘鯛の湯葉巻き揚げ】
甘鯛は塩をして水分を抜き、巻きやすいように切り身にする。
甘鯛を、大葉、生湯葉で巻いて揚げ、一口サイズにカット。
器に盛り付け、今が旬の新蓮根の揚げ物、万願寺唐辛子を添え、
白髪葱をのせて、一味をかけ、振り柚子し、みぞれ餡をかけて出てきた。
みぞれ餡は、辛味大根を卸して、生姜卸、葛を加えたもので、絡みやすくしている。
この餡の甘辛さが食材の味を引き立て、蓮根、甘鯛の火入れが良く、美味しい。

【土鍋御飯】
店主が筑紫野市で出会った農家が作っている、無農薬、天日干しのこだわりのお米「ひのひかり」。
それを、中蓋はなく、木蓋のみの土鍋で炊く。
御飯のお供で出てきたのは、鰻の蒲焼き、山椒じゃこ、漬物。
鰻の蒲焼きは、宮崎産の鰻を炭火で焼いたもの。
山椒じゃこは、山椒を醤油、酒、水で炊いて、じゃこと和えたもの。
それに、アオサの味噌汁が出てきた。
焼いた魚の骨を煮出し、焼き鉄を入れてクサミを取って出汁にする。
それと、鰹出汁を割り、3種類の味噌を合わせた味噌汁。
御飯はシンプルにお米の甘さが素直に出ていた。
鰻の蒲焼きは甘すぎないタレで皮はサクッとしていた。
山椒じゃこは、爽やかさと刺激もあり、よいアクセントになる。
味噌汁は、魚くささはなく、御飯の味を邪魔しない。

【デザート】
この店の定番にしようと思っている「焼きプリンアイス」。
スペインのカタルーニャ地方の伝統的なデザート「カタラーナ」に近い感じ。
「カタラーナ」とは、表面がカリッと香ばしくキャラメリゼされ、中はしっとりとクリーミーで冷たいデザート。
クリーミーで濃厚なプリンと上のキャラメリゼの香ばしさが良い。

■■攻略法■■
まずは11000円のコースでお店のことを知って、徐々にアラカルトに向かうと良い。

■■チョッチュ■■
ワイン、日本酒は結構あるのだけれど、もうちょっとお酒のバリエーションが欲しいかなぁ。
例えば、焼酎でもこれからの季節、炭酸で割ると美味しいものなどもラインナップに加えて欲しいです。

■■オススメ店■■
森さん 中央区赤坂 「鮨 唐島」

■■その他■■
客単価 :  コースと飲んだだけ 

ビールは、瓶680円から。
ウイスキーは、750円から。
焼酎は、グラス650円から。
日本酒あり
ワインは、グラス1200円から、ボトル7500円から。

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