FM 福岡 FUKUOKA

BUTCH COUNTDOWN RADIO

ザ・メシュラン

放送日:2023-11-10(金) 地域:中央区

たてやま

TEL
092-725-2755
住所
福岡市中央区春吉3丁目16-41 2階
ジャンル
和食
オープン日
2013年1月10日
席数
12席(カウンター6席、個室あり) 1日3組
営業時間
18:00~20:30入店 ※時間は要相談

定休日:不定休
調査日
■2023年10月27日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
URL
https://www.tateyama-fukuoka.com/

内容

今日ご紹介するのは、春吉の那珂川沿いにある和食のお店です。
黒い建物の2階にあり、階段を上ると表札看板がかかっているので、すぐに分かります。
店内は、少し上がって奥に進むと、杉の一枚板のカウンター席が現れ、窓際には外に向かったテーブル席があります。
店主の竪山さんは、鹿児島のホテル、居酒屋、割烹、旅館などで修業し、独立。この道28年。
2013年にこの店をオープンしましたが、4年前に本格的な和食を提供する、今の業態へと変わりました。
食材は季節のもの、旬のものを、調味料も昔ながらのものや自然のものを揃え、
日本全国あちこちから、生産者の顔が見えるものを取り寄せて使っています。
ちなみに、水にもこだわり、鉄瓶で湯冷まししたものを使ったり、出汁は水素水で取ります。
料理はコースのみで、送られた食材や市場で買い付けたもので決めていきます。
我々が行った時はきのこが豊富な時期だったので、様々な珍しいきのこを頂けました。
大きな窓からは那珂川の流れを眺められ、ゆったりした雰囲気の中、
珍しい食材やひと工夫した和食の一品と出合えるお店です。

チェック

コースのみで、13200円、16500円、19800円、ミニコースとなる
前日までの予約で、1日3組まで
別途サービス料5%

我々は、16500円のコースを頼んだ

【本アラの昆布締めと黒いちじく】
ここで言う「本アラ」は、こちらの地方で「アラ」と言う「クエ」とは違うため、あえて「本アラ」と呼んでいる。
この「本アラ」も高級魚で、甘さも美味さも濃厚で、コリコリした食感も楽しめる。
今回は、鐘崎で揚がった本アラだった。
黒いちじくは、フランスでは有名な「ビオレソリエス」という品種で、日本ではあまり生産されていない。
甘さもあり、ねっとりした食感で、黒っぽい皮も一緒に食べられる。唐津産だった。
黒いちじくを蒸して、刺身にした本アラで巻き、黄身酢を敷いた器に盛り付けて出てくる。
黄身酢は、黄身を土佐酢で伸ばして練り上げたもので、油を使っていないマヨネーズのような感じ。
軽く振り柚子をしているので、香りも良い。
熱を通すことで甘味が増した黒いちじくと本アラの旨味を、黄身酢の酸味で上手くまとめている。

【子持ち鮎のオイル煮】
洋風のコンフィとは違い、和食のオイル煮。
鮎はなるべく大きなものを使うようにしていて、この日は、和歌山産。
それを軽く塩漬けし、山椒と一緒にオイル煮する。
オイル煮することで骨まで柔らかくなり、卵の食感も良く、身もジューシーに仕上がっている。
背越しや塩焼きとはまた違った味わい。

【鱧と香茸の椀物】
出汁は、鱧の骨に塩をあてて、水素水でとった昆布出汁で煮だしたもの。
鱧の身は湯引きする。
香茸は、味や香りが強く笠は大きいが、なかなか採れないので「幻のきのこ」と言われている。
今回は岩手産のものを使っていた。
香茸は鱧の出汁で軽く炊いて、湯引きした鱧を加え、最後に卵で軽く閉じていた。
きのこ類と卵の相性は良く、香茸の風味も良い。

【石垣鯛のお造り】
一見普通のお造りに見えるが、実は2種類の盛り合わせになっていた。
唐津産の石垣鯛は、1貫が1週間寝かせて熟成させたもの、もう1貫がこの日に締めたもの。
つまり、熟成と活鮮の食べ比べになっている。
熟成のほうは、ねっとりして、脂もまわって口当たりが柔らかくなっている。
活鮮のほうは、しっかりした歯ごたえを楽しめる。
食感のバランスを考え、熟成のほうは少し厚めに切っていた。
割醤油をかけて、山葵を添えている。

【鰹のたたき】
対馬産のヤイトガツオを軽く藁で焼いてタタキにし、食べやすい大きさにカット。
器に盛り付け、玉葱酢をかけ、刻んだ玉葱とキュウリを散らして出てきた。
玉葱酢は、摩り下ろした玉葱を汁ごと酢と合わせて煮詰め、醤油、土佐酢で味を調えたもの。
大根卸とはまた違った味わいで、ほんのり甘さもある。
鰹は玉葱酢のおかげで生臭さを感じないので、苦手な人でも食べられそう。
藁の香りも良く、さっぱりとした後口で美味しい。

【舞茸の茶碗蒸し】
舞茸を出汁で炊き、一度乾燥させる。それを戻して、もう一度出汁で炊き、ペースト状にする。
入れると卵が固まらないと言われる舞茸に手を加えることで、具材にできている。
卵、出汁に、ペースト状にした舞茸を合わせ、茶碗蒸しにする。
仕上げに銀餡をかけ、柑橘を軽く絞り、唐津産の赤雲丹をのせて出てきた。
ほんのり舞茸の香りもして、濃厚な雲丹の旨味が良い。

【カマスと蓮根と本しめじ】
赤カマスは軽く出汁に漬けて焼く。
蓮根は、大分県杵築市で田中さん兄弟が作っている「タナカレンコン」を使用。
本しめじは岩手産の天然物で、スーパーで売っているものとは、太さ、食感、味、香りが全く違う別物。
それらを食べやすい大きさにカットし、醤油で甘辛く炒め、香りづけにバターを加えて仕上げたもの。
カマスと本しめじの味が良く、香ばしさが食欲をそそる。

【群大風船茸と鰆のカツ】
群大風船茸は、珍しいきのこで岩手産。
ずんぐりむっくりした、まさに絵に描いたような「きのこらしいきのこ」。
群大風船茸と鰆をカツにしているが、衣は卸した車麩を使っているので、軽い仕上がり。
群大風船茸は軸もしっかりしていてクセもなくジューシー。
鰆をカツにするのは珍しいが、レアに仕上げていて、上品な旨味を感じる。
塩を添えているので、お好みで。

【土鍋飯】
土鍋の具材はその時で変わるが、この日は、鮭といくらを使ったもの。
米は、熊本県の農家、縄田さんが湧き水で育てた自然栽培の「森のくまさん」を使用。
それに鰹出汁、うすくち、塩を加えて、土鍋で炊く。
炊きあがったら、鮭、いくら、栗、枝豆をのせて蒸らす。
鮭は北海道日高沖で獲れる、およそ100本に5本の希少価値がある銀毛鮭の王様、「銀聖」。
銀毛とは、産卵に向けて栄養をたっぷり蓄えた状態の秋鮭で、身はしっとりして柔らかく、
脂ののりも抜群のもので、その中でも選ばれたものが「銀聖」となる。
いくらは北海道産で、栗は国産。
枝豆は丹波黒大豆で、一般的な枝豆と違って今が旬。
蓋を開けてプレゼンテーションがあり、お茶碗によそってくれる。
艶々のお米は美味しく、鮭は臭みはないが鮭独特の味があって美味しい。
1杯食べ終わると、土鍋に残ったおこげに出汁を注いで出汁茶漬けにしてもう1杯食べられる。
一緒に出てくる味噌汁は、鰹と昆布の一番出汁と「子寶みそ」で仕上げたあっさり味。
小葱以外の具を入れないことで、味噌と出汁本来の味を楽しんでもらうようにしている。
御飯のお供には、自家製明太子、キュウリのぬか漬け、はりはり漬け。
明太子は、昆布、椎茸、あご出汁で作り、プチプチして美味しい。

【デザート】
様々な食材が丸い最中に入って出てくる。
最中の皮は、朝倉にある最中屋さんから買い付けたもの。
それを乾かす程度に軽く炙り、にんじん芋、シャインマスカット、白玉、アイスを入れて出てくる。
にんじん芋は、中がオレンジ色をしたサツマイモ。
アイスは、クリームチーズで作ったものだった。

【抹茶】
八女の抹茶を立ててくれる。

■■攻略法■■
1日3組になるので、決まったらなるべく早く予約するべし。
オープンキッチンのカウンターがライブ感があって良いです。

■■チョッチュ■■
入口が1段上がっていて、靴を脱ぎそうになるので、土足OKなど書いていて欲しいなぁ。

■■オススメ店■■
竪山さん 高砂 フレンチ「オルキデ」 / 平尾 和食「平尾の板場 しらゆき」

■■その他■■
客単価 : コースを頼んで飲んだだけ (コースの中では、16500円を頼む人が多いそうです)

ビールは、瓶660円から。
ウイスキーは、990円から。
焼酎は、グラス660円から。
日本酒は、グラス660円から、1合1100円から。
ワインは、グラス1210円から、ボトルあり。

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