BUTCH COUNTDOWN RADIO
放送日:2023-04-28(金) 地域:中央区
やまや総本店 膳
- TEL
- 092-406-8820
- 住所
- 福岡市中央区白金1丁目5番5号
- ジャンル
- 和食
- オープン日
- 2023年3月27日
- 席数
- 30席(カウンター10席、半個室あり)
- 営業時間
- 18:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日:日曜日、月曜日
- 調査日
- ■2023年4月14日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
内容
今日ご紹介するのは、白金の一角に現れた完全予約制の割烹料理店です。
真っ黒な焼杉の壁に囲まれ、入口はカジュアルな飲食とショップの「白金小径」側と、
こちらのお店「膳」の2ヵ所あるのでご注意ください。
実は元々とても立派な邸宅だった場所で、コンセプトの1つである「記憶の継承」のもと、
以前の門構えや欄間、建具、瓦などを活用して最新のものと組み合わせ、とてもスタイリッシュなデザイン。
中はガラス張りになっていて、素敵な中庭を眺めることができるテーブル席、
料理のライブ感を楽しめるカウンター席があります。
ここの料理を総監修するのは、ミシュラン2つ星、東京・外苑前にある和食の名店「傳」のオーナーシェフで、2022年「アジアのベストレストラン 50」ではナンバーワンを獲得した長谷川在佑さん。
そして、料理長の安部さんは、京都の懐石料理と割烹を経て、九州の郷土料理店も経験。
この店のオープン前には、「傳」に研修に行き、料理とサービスなどを1年近く学びました。
ちなみに、オープンしたてにも関わらず、ホールスタッフもキビキビ動いていたのは、
同じように「傳」で研修を受けているからだそうです。
ということで、お店全体で準備に取り掛かり、全力でおもてなししてくれます。
この店のコンセプトは、「メイド・イン九州」。
食材から器に至るまで、九州産や九州の人が関わるものを使って料理を表現していきます。
また、産地には必ず出向くようにしており、
どのような人が料理しているかを知ってもらった上で取引してもらうことを大事にしています。
料理は完全予約制で、7700円の1コースのみとなっており、ひと月からひと月半くらいで変わります。
内容は料理長の安部さんが提案し、長谷川さんとのキャッチボールを繰り返し、ブラッシュアップしていきます。
先程も話で出たおもてなしということでは、お客様の状態を見ながら苦手なものは避け、
お腹の具合でポーションを変え、盛り付けにもこだわっていますが、
温かいものは冷めないうちに提供し、常に気を遣ってもらっています。
これだけの料理とサービスを提供しているにも関わらず、この価格にしたのは、福岡の皆さんに来てほしいからだそう。
高級な食材ばかりではなく、手間と工夫で素材の味もはっきり分かり、見た目にも美しい料理に仕上げています。
アクセスも便利な場所にありながら、周りは静かで、これからの成長も楽しみなお店です。
チェック
7700円のコースのみ。(デザートは、追加料金1100円)
前日までの完全予約制。
サービス料はない。
先付け【筍 海老 ~合馬~】
海老真丈を合馬の筍で挟み、衣を付けて天ぷらにしたものが出てきた。
海老真丈は、芝海老を包丁でたたき、卵黄と玉ねぎを加えて作ったもの。
それに鮮やかな緑色の白菜ソースがかかっていた。
白菜ソースは、まず、大分産白菜の芯の部分だけを細かく刻み、鰹節と魚粉の出汁で、3時間程弱火でじっくり炊く。
仕上げに白菜の葉の部分を加えて強火で炊き、氷水で冷やして出汁と一緒にミキサーにかけたもの。
春白菜なので甘味もあって、筍の甘味を増している。
前菜【牛蒡 卵 ~大分~】
茶碗蒸しが出てきた。
茶碗蒸しの生地は、大分産の「蘭王」という卵を使っている。
その上に牛蒡のすり流しをかけ、牛蒡のささがきを唐揚げにして飾っている。
牛蒡のすり流しは、アク止めで酢水に一度漬けた牛蒡を、出汁で長い時間コトコト炊き、
クタクタになったらミキサーで回して生クリームを加え、ポタージュのようにしたもの。
実は、茶碗蒸しの中には軽く炙ったカチョカバロを忍ばせていて、これを食べると和風が一気に洋風になる。
チーズのコクが加わることで旨味が増す。
また、茶碗蒸しの上に揚物がのっているのは珍しいが、
牛蒡の唐揚げの香りが良いアクセントになっている。
おしのぎ【鯖 蓮根 海苔 ~対馬~】
手巻きで食べる鯖寿司になる。
対馬の鯖は軽めに締めたもので、シャリは米酢。
シャリと鯖の間に中具として、かんぴょうと椎茸を甘辛く炊いて細かく刻んだものを忍ばせている。
実はこの椎茸は、料理長の父親が栽培したもの。
そして、鯖の上には黄身酢をのせていた。
黄身酢は卵黄に砂糖と酢を混ぜ、湯煎しながらじっくりかき回して作ったもので、少し硬めにしていた。
そこに、蓮根の揚物が添えてあり、一緒に有明産の海苔で巻いて食べる。
白石蓮根は一度蒸した後に揚げているので、少しねっとりした食感。
また、寿司に揚物を添えているのは、天むす感覚で面白い。
しのぎにしては大きいので、食べ応えもある。
お造り【イサキ 鯵 ~鐘崎~】
どちらも鐘崎産。
イサキは、3日寝かせて軽く漬けにしたもので、海苔酢を添えていた。
海苔酢は、細かくちぎってふやかした海苔をミキサーにかけ、
米酢、砂糖、濃口を合わせたものにとろみをつけて合わせたもの。
鯵には、山葵と胡麻だれを添えていた。
面白いのが、ケンの代わりにミックスリーフを添えていたこと。
この野菜には、細かく刻んだ塩昆布と合わせた太白胡麻油をかけ、
野菜の下には、冥加ときゅうりを忍ばせ、一緒に食べても刺身に合うような味つけにしている。
刺身だけで食べても良いし、とても脂がのっていたので野菜と一緒に食べても口の中がさっぱりする。
こういうサラダ仕立てにすることで、普段は残しがちなケンが良い脇役になっている。
焼き物【鰆 柚子 大根 ~玄海島~】
玄海島産の鰆は、皮目からしっかり火を入れて焼いている。
その上にのっていたのは、柚子大根。
普通に卸したものと鬼卸の2種類の大根にメレンゲと
自家製柚子胡椒を加え、ふんわりした状態で焼いたもの。
これを合わせて鰆を食べると、後口が残らず良い。
付け合わせは、春菊を炊いたものと、山菜のコシアブラの天ぷら。
春菊は煎茶を加えた出汁で炊いているので、ほんのりお茶の香りがする。
煮物【蕪 地鶏 ~朝倉~】
「蕪と地鶏のみぞれ餡」という煮物椀で出てきた。
地鶏は朝倉の古処鶏で、皮をパリッと焼き、ゴロゴロ入っていた。
蕪は別で炊いて最後に合わせている。
入っていた青みは、根三つ葉。
根付きでとても大きく香りが強い野菜で、軸、葉っぱ、根を分け、それぞれでお浸しにする。
みぞれ餡には、蕪の皮や葉っぱを炊いてとった野菜の出汁をプラスしていた。
お食事【土鍋ご飯 ~白石~ 明太子】
お米は白石産の「さがびより」で、「白石びより」。
ふるいにかけて選別した、大粒のものだけを使っている。
土鍋は、有田の安楽窯に特注したもので、持ち手が明太子になった真っ赤なもの。
炊きたてをプレゼンテーションされた後、お茶碗によそってくれる。(お代わりも可)
御飯のお供には、自家製白菜の漬物、にんじん、きゅうりの糠漬け、
そして、やまやの明太子の中でもかなり良いクラスのもの。プチプチ感がまるで違う。
そして、イサキの骨でとった出汁を使ったアオサの味噌汁が出てきた。
さらに、新玉葱と和牛のしぐれ煮がサプライズで出てきたが、これは日替わり。
締めに、ほうじ茶も出てきた。
■■攻略法■■
その日の状況によって座る場所を変えると良い。
テーブル席なら中庭の眺めが最高だし、カウンター席なら料理のライブ感がある。
■■チョッチュ■■
デザートは追加料金で頼めるのですが、どんなデザートなのかをコースに入る前に提示して欲しいなぁ。
すると、お腹の具合と相談して頼みやすくなるかもしれません。
お手頃な価格でおススメのワインを置いてくれると、ワインをあまり知らない人でも頼みやすいかなぁ。
■■オススメ店■■
阿部さん 博多区対馬小路 「馳走なかむら」
■■その他■■
客単価 : コースと飲んだだけ
ゴールデンウイークは、通常の営業通り。5月1日(日)、2日(月)、7日(日)は休み。
ビールは、生880円、瓶990円。
ウイスキーは、770円から、果実酒は770円から。
焼酎はグラス770円から。
日本酒はグラス770円から、1合1320円から。
ワインはグラス、ボトルあり。