BUTCH COUNTDOWN RADIO
放送日:2022-05-06(金) 地域:南区
高宮庭園茶寮
- TEL
- 092-710-3357
- 住所
- 福岡市南区高宮5-16-1
- ジャンル
- 和食
- オープン日
- 2022年4月1日
- 席数
- 12テーブル、個室は6名、16名の2部屋
- 営業時間
- 大広間 ランチ 火~金 11:30~15:00(最終入店13:30) / 土日祝 11:00~15:30(最終入店14:00)
ディナー 日祝、水、木 17:30~21:30(最終入店19:30) / 金土祝前日 17:30~22:00(最終入店19:30)
ディナータイムは完全予約制
カフェ(茶房) 火~金 11:30~16:30(最終入店15:30) / 土日祝 11:00~16:30(最終入店15:30)
定休日:月曜日 (結婚披露宴での貸切営業もあり)
- 調査日
- ■2022年4月29日
■天候 晴れ
■時間 19時30分
内容
今日ご紹介するのは、文化財の中で和に寄せた創作料理を食べられるレストランです。
高宮の高台のこんもりと木が生い茂る一角は、1.9ヘクタールもある高宮南緑地。
その中にあるのが、福岡市登録文化財の近代和風建築「旧高宮貝島家住宅」です。
「旧高宮貝島家住宅」は、麻生・安川とともに「筑豊御三家」と称され、
「炭鉱王」と呼ばれた貝島太助の弟、貝島嘉蔵の邸宅です。
大正4(1915)年に直方市で建設され、昭和2(1927)年に高宮に移築し、
戦火を逃れ、そのままの佇まいで残っています。
現在は接客空間であった母屋(507㎡)と茶室(71㎡)が残され、その母屋で食事を頂くことができます。
高宮南緑地の入り口は、知らないとグルっと1周することになり大変なので、事前に確認することをおススメします。
その入り口から斜面を上がると、歴史ある建物がドーンと現れます。
玄関で靴を脱ぎ、奥の客間へと進むのですが、ちょっとした迷路のようになっていて、
最初はスタッフについていかないと、どこにいるのかも分からなくなります。
内装の調度品などは昔のままで保っており、掛け軸や花器などもこの建物内で保管していたものです。
とにかく建物に圧倒され、まるで自分が大金持ちになった気分にもなれます。
なので、Tシャツに短パンだとちょっと似合いません。
ドレスコードはありませんが、ちょっとおしゃれした方がぴったりくる空間です。
ここは、元「ザ・ビラズ福岡」や「山の上ホテル」などのウエディング、レストラン事業に携わる会社が運営しています。
マネージャーの木本さんは、ホテル日航からサービスをスタートし7年、
北九州の結婚式場、山の上ホテルなどを経てこの店へ、この道18年。
シェフの藤さんは、中村調理製菓専門学校卒業後、ブライダル料理の世界で腕を磨き、
「ザ・ビラズ福岡」や、「ザ マーカススクエア 福岡」などを経て、この店へ。
ベースはフレンチとなり、この道17年。
お店のコンセプトは、日本の文化財と食の文化を伝えること。
日本ならではの食文化を大切にし、海にも山にも恵まれた九州の厳選した素材を用いて、
フレンチやイタリアンなど、様々な技法を使い、歴史と現代を融合させた新たな食を表現しています。
だから、日本の食文化の象徴でもある「出汁」にも非常にこだわっています。
デートや記念日、何かの会食などにも良い、美味しい料理と文化財の重厚な雰囲気を満喫できるお店です。
チェック
コースのみ
ディナーは、9800円、14800円の2コース
個室料はお1人様3000円
ディナーは、当日15時までの予約で、2名様からの受付
内容は、月替わり
(今回は4月のメニューになる。構成は変わらないが、5月は付け合わせやメインが変わる。
例えば、ホタルイカや、黄アラ、サーロインなどが出てくる。)
料金には、別途サービス料(10%)がかかる
我々は、夕餉9800円のコースを選んだ
最初に茶房に通され、お茶と季節のフルーツが出てくる
この日は、「宇治茶」と「あまおういちご」だった。
ウェイティングバー的な感じでアミューズを提供するのを、このお店独自のスタイルで表現。
ここで心を落ち着かせてから、ダイニングへと向かう。
ダイニングでは最初に、出汁に使う食材のプレゼンテーションがある
出汁に使う食材の説明がある。
材料は、鹿児島県枕崎産の鰹節、長崎県平戸産のアゴ、羅臼昆布、原木椎茸。
その後、ちょこに入ったこの店の基本となる2日間熟成させたこだわりの出汁が出てくる。
食事の前に胃を温めるという寸法。
甘みも感じ、美味しい出汁だった。
壱の皿【八寸】
様々な料理をちょこちょこ一皿に盛って出てくる。
この皿は、香りをテーマにして、どの料理にも何かの香りが入る。
「じゅんさい」は、嬉野で3代続く茶農家、副島園のお茶を水出しした煎茶と鰹出汁を合わせたものに浮かべていた。
「春イカ」は、春になると沖合に出てくるアオリイカのことで、これを炭火で軽く炙って香りを付け、カラスミを添えていた。
「チーズ豆腐」は、桜の葉に包んでいて、独特の香りがする。
「サヨリの昆布締め」は、極細切りにして、同じく極細切りしたはつか大根と和えて、振り柚子していた。
「サーモン」は、太白胡麻でマリネして、胡麻と塩昆布をまぶし、胡麻の香りをたっぷりと。
「糸島美豚」は西京味噌で漬けてローストし、味噌の香りを出し、紅芯大根の薄切りを添えていた。
「オマール海老」を揚げたコロッケは、魚介の香りが良い。
ピーテンドリル(スナップエンドウのスプラウト)などのスプラウトやエディブルフラワーもあしらい、彩りもきれい。
弐の皿【宮崎産鰻白焼き 菜の花 菊花】
鰻は、一度白焼きする。
それに、長崎県平戸産のあご出汁を使った魚醤を塗って味付け。
菜の花のおひたしを添え、その上に鱒子をのせ 少し苦味のあるナスタチウムで隠している。
アクセントで少し苦味がある菊花を散らしていた。
鰻の皮がカリッとして、身はふっくらして美味しい。
参の皿【蛤 赤米 鰹出汁のリゾット】
蛤の出汁と鰹の出汁で作ったリゾット。
それに蛤の身を添え、レモンラペ(すりおろした皮)をかけて、香りと酸味を出している。
白米の甘味と赤米の渋み、赤米のカリカリした食感も良い。
肆の皿【白石町の蓮根 豆乳 唐津産雲丹】
全て佐賀県でまとめた一品。
有名な佐賀県白石町の蓮根を粗めにすり流して、ツブツブした食感を残している。
それに、豆乳と鰹出汁を合わせ、まろやかに仕上げ、オリーブオイルを垂らす。
唐津産の赤雲丹(時期的に、初物っぽい)と唐津産芽葱を添えていた。
蓮根の旨味と雲丹の甘味を楽しむ一品。
お魚【鰆の炙り 鹿児島の焼き空豆 佐賀の新玉葱のすり流し】
玄海産の鰆は、低温の油にくぐらせ、外側にだけ火を通し、旨味を閉じ込める。
それを炭火でじっくり炙る。
空豆もシンプルに焼いたもので、他に大分産のわさび菜を添え、山わさびを削りかけていた。
新玉葱のすり流しは、ソースの代わりで、魚、野菜と一緒に食べると良い。
氷菓【福岡県山田錦 純米大吟醸 颯】
福岡県の酒造「杜の蔵」の純米大吟醸「颯」を使った氷菓子、言わば、ソルベ。
アルコールは飛ばし、日本酒の甘みとレモンの酸味でさっぱりと仕上げている。
コースの途中の口直しの一品。
お肉【伊万里A5ランク 和牛ロース 鰹出汁で炊いた熊本の新牛蒡 木の芽味噌 分葱のソース】
適度にサシが入った伊万里牛A5ランクのロースは、低温調理だけで仕上げる。
その下には、鰹出汁で炊いた熊本産の新牛蒡を敷いてある。
それに、木の芽味噌ソースと、分葱のソースを添えているので、お好みで。
レッドタンデリオンも彩りで添えていた。
肉は柔らかく、低温調理なので旨味がしっかり閉じ込められていて美味しい。
締め【石臼挽き蕎麦】
北海道音威子府村で採れた蕎麦の実を現地で石臼挽きしてもらったもの。
挽きぐるみなので、香りも強い。
それに、山葵、フランス産カマルグの塩、鰹がきいた蕎麦つゆが添えてある。
まずは、カマルグの塩で蕎麦の香りと味を楽しみ、続いてつゆにつけると良い。
山葵はお好みで。
甘味【桜と苺のタルト しょうがのソルベ】
タルト生地には、桜の葉を乾燥粉砕して練り込み、上にはカットした苺を花のようにのせている。
しょうがのソルベは生姜がしっかりきいていて、口の中がさっぱりする。
下には、黒胡麻のペースト、竹炭のクランブル(砕いたクッキー生地)、桜の花のパウダーで仕上げる。
お茶・茶菓子【ペカンナッツ羊羹】
ペカンナッツは、ナッツの一種でアーモンドより歯ごたえがあり、脂もある。
それをこの店で手作りした羊羹の上にのせて出てくる。
最後に嬉野市の副島園の浅入りほうじ茶が出てくる。
■■攻略法■■
早めに予約するべし。特にランチは予約が埋まるのが早いです。その時に、苦手なものがあれば言うべし。
ドレスコードはありませんが、Tシャツ短パンが合う場所ではありません。せっかくなのでちょっとオシャレして行くべし。
■■チョッチュ■■
宮南緑地があまりに大きすぎて、入口が分かりにくいです。(高宮通り側から行くと分かりやすいかも)
コースの中で、ちょっとした海鮮は出てくるのですが、御造りもあると嬉しいなぁ。
■■オススメ店■■
木本さん 中央区大宮 「Assiette de MAKO (アシェット・ド・マコ )」
■■その他■■
客単価 : 9800円のコースを頼んで、飲み代がプラス4000円くらい
生ビールは、800円。
ウイスキーは、1200円から。
グラスワインは、1400円から、ボトル4200円から。
ディナーのコースは、9800円が人気です。