FM 福岡 FUKUOKA

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ザ・メシュラン

放送日:2020-10-16(金) 地域:中央区高砂

Restaurant SNOW

TEL
092-707-2184
住所
福岡市中央区高砂1-16-17 エスペランサ天神南 1F
ジャンル
洋食
オープン日
2020年7月11日
席数
14席(カウンター5席)
営業時間
ランチ 12:00~15:00 / ディナー 18:00~23:00
定休日:火・水曜日
調査日
■2020年10月2日
■天候 晴れ
■時間 19時30分

内容

今日ご紹介するのは、日赤通りから、高砂方面へ入ったマンションの1階にあるお店です。
高い天井、板張りの床、打ちっぱなしの壁に、木製テーブル、カウンターと、
モダンでシックにまとめた内装は、26歳の女性建築士の手によるもの。
照明も明るすぎず、席の間隔も空いているので、隣を気にせずに頂くことができる、
落ち着いた雰囲気です。
オーナーシェフの海野さんは、フランスのミシュラン三ツ星獲得レストラン
「ミシェルゲラール レ プレデュジェニー」や、ベルギーの「レストラン バルビゾン」で
フレンチを学び、デンマークの「シュルロル・クロ」でフレンチ、ニューノルディックを修行。
23歳でソムリエの資格を取り、2011年度のモンドセレクション審査員を務め、この道18年です。
日本最大級の料理人コンペティション「Red U-35」では、
2018年に、九州で唯一残り、シルバーエッグを獲得しています。
料理のコンセプトは、「フレンチのテクニックと、ニューノルディックの概念を以って、
地元九州の郷土性を表現する」。
ニューノルディックとは、10年前ほどにデンマークで起こった料理に対する考え方で、
例えば、食材は自国のものしか使わなかったり、元々ある郷土料理を再構築したり、
その国特有の新しい料理を作るというものです。
このお店では21世紀の料理と言われる調理器具をほぼ揃えていますが、
モラキュラー・キュイジーヌがテクニックなのに対し、ニューノルディックは考え方だそうです。
代表的なお店は、デンマークにある「noma」です。
その考え方に惹かれて、九州の郷土性を表現したいと思い、このお店をオープンしました。
食材は、ほぼ九州産のものを使い、出てくる料理は、クラシックなテクニックから最新のものまで、
食材と表現したいものに合わせ、ありとあらゆる技法を駆使して出てきます。
また、自由に楽しんでもらいたいという思いから、カトラリーはテーブルに並んでいる他、
それぞれの席のテーブル下の引き出しにも用意されていて、言えばお箸も出してくれます。
九州の食材を、これまでになかったテクニックで紹介し、味だけではなく、
見た目でも楽しませてくれるお店です。

チェック

コースのみ。
ランチは3500円の1コース、ディナーは7500円、10000円の2コース。
予約のみだが、当日予約でも可能な限り対応。
21時からは、ワインバーとしても可。
ノーチャージ。
価格は、税別。

【7500円のコース】
我々は、このコースを頼んだ。
コースの流れは変わらないが、内容は月毎に変わる。

【Taste of Kyushu 九州各地の味】
前菜の前のスナックになる一品。
九州が描かれたガラス製プレートの上に料理がのっていて、
料理で使った食材の生産地に置かれている。
今回は、5品。
「小アジのマリネ」は、福岡県の位置に。
玄海産の小アジをデンマーク風にマリネ。
デンマークは保存食から発展していった料理が多く、これもその1つ。
ただ、少し酸味を抑えるなど、アレンジを加えている。
香りづけには、マスタードの種、ローリエを使っていた。
添えてあったのは、糸島産シー・アスパラガス(厚岸草)。
「南関揚げ」は、熊本県の位置に。
南関揚げにブルーチーズと蜂蜜をのせ、オーブンで焼いたもの。
南関揚げのサクッとした軽い口当たりと、チーズの濃厚な旨味が良い。
ピザっぽくて、おつまみにぴったり。
「雲仙ハム」は、長崎県の位置に。
自家製ライ麦のパンでパン粉を作り、それを衣にして、雲仙ハムを揚げる。
その上に、レモレールというデンマークの家庭的なソースがのっていた。
レモレールは、ピクルス入りのマヨネーズソースのようなもの。
少しほろ苦い衣と酸味のあるソースがよく合う。
「真蛸」は、大分県の位置に。
大分県で水揚げされた地ダコをボイルし、上にカボス塩をのせていた。
「黒豚の自家製生ハム」は、鹿児島県の位置に。
鹿児島産黒豚で作ったもので、ツヤがあり、噛めば噛むほど旨味を感じる。

【New Nordic のガスパチョと北海道産トマトのソルベ】
1皿目で九州らしさを出したので、2皿目には北欧らしさを出した料理が登場。
まず、目の前に「北海道産トマトのソルベ」が出てくる。
これは、トマトをミキサーにかけて味付けをほどこし、
パコジェットで冷凍粉砕し、アイスクリーム状にしたもの。
そこにガスパチョが出てきて、目の前でソルベにかけて料理が完成する。
このガスパチョは、以前働いていた、デンマークのお店のスペシャリテ。
きゅうり、リンゴ、ピーマン、サラダほうれん草、アボカド、パセリ、メロンなど、
緑色の野菜を中心に8種類ほどの材料をあわせ、ライムで味を調えている。
イタリアのサルサベルデのように見えるが、食べるとまさにガスパチョ。
なぜ緑色なのか聞いたところ、デンマークの料理は緑を大切にすることが多いとのこと。

【パン】
パンは自家製で3種類用意されている。
「ロデブ」は、フランスの地名がついたハード系のフランスパンで加水率95%。
それに、「蓮根フォカッチャ」、「パン・ド・カンパーニュ」だった。
お代わり自由?だが、結構料理の品数も多いので、食べ過ぎないように。

【糸島産真鯛のソルト&スモーク ハーブの雪】
デンマークなど、北欧の保存食を使った料理をアレンジした一品。
北欧では、鱈の塩漬けを使うことが多いが、
糸島は天然真鯛の水揚げ量が日本一とも言われるので、真鯛に置き換えている。
真鯛を塩漬けし、軽く燻製したものに、紅芯大根や、コールラビ、白瓜のピクルス、
きゅうりを添えていた。
そこに、クレソンで作った鮮やかな緑色の雪がかかる。
これは、クレソンを液体窒素で凍らせて砕いたもの。
鯛の身の弾力感もよく、旨味が凝縮されていて、美味しい。

【バター・キャラメル・コーンスープ】
バターを使ってトウモロコシを焦がすように火を通し、それをスープにしたもの。
映画館で食べるキャラメルポップコーンのような懐かしい味がする。
コースの間で上手い橋渡し役になっている一品。

【ホタテ貝 ムールのソースと海藻】
鮮度の良い北海道産のホタテ貝を使用。それをバターを使って、強火でポワレ。
皿の上に、ホタテの貝殻をのせ、それを器代わりにし、
根セロリのペースト、ホタテ貝、海藻、タピオカを加えたムール貝のソースをのせ、
色のアクセント付けで、ディルで作った緑色のオイルを少し垂らす。
ホタテ貝にムール貝のソースの味が重なり旨味が倍増し、
タピオカとホタテ貝の食感の違いも面白い。

【玄海産・ホウボウのポワレ オータムポエムとブイヤベースのソース】
シェフ曰く、「九州の美味しい魚をそのまま出そうと思った。」
ホウボウは皮目からゆっくり焼いて、バターを加えるフレンチの手法で、
皮はパリッと、中はふっくら仕上がっている。
そこに、ブイヤベースのソースを添える。
オータムポエムは、日本生まれ福岡育ちのアブラナ科の野菜で、別名アスパラ菜。
パースニップ(白ニンジン)で作った、ライトグリーンのペースト、糸島産キクラゲも添えていた。

【熊本・阿蘇赤牛のロースト !玉葱×タマネギ×たまねぎ!】
阿蘇赤牛のランプ肉を、サーキュレーターを使って低温で2時間火を通し、表面だけ焼き、
肉のソースがかかる。
牛肉にのっていたのは、生胡椒の粒。
柔らかく、赤身の旨味を感じる。
なんと、付け合わせは、6種類全て玉葱。
玉葱のピューレ、玉葱のロースト、玉葱のフリット、玉葱のスライスチップス、玉葱のピクルス、
玉葱のビスケット。
デンマークの料理の考え方で、1つの食材を様々な調理で変化を付けて味わうもの。
それにしても、こんなに味も食感も変わるのかと驚かされる。

【トマトとハチミツのシャーベット】
出てきた瞬間、「?」が頭に浮かぶ一品。
奥さんの実家(北海道)で獲れたトマトを裏ごしし、透明な液体だけを抽出。
そこに、蜂蜜を加え、シャーベット状にしたもの。
トマトの旨味をしっかり感じ、口直しにも良い。

【福岡県産イチジクと紅茶&キャラメル】
イチジクは、「とよみつひめ」で、赤ワインのコンポート。
そこに、紅茶のアイスクリームとキャラメルのシートを添えている。
キャラメルのシートは、薄くシート状にゼリーで固めて切ったもので、キラキラしている。

【チョコレートのデザート】
「ブラック〇〇〇〇〇」をテーマに作ったデザート。
7種類のチョコレート、バニラアイスを使い、まるであのアイスのような味わい。
こういう遊び心も嬉しい。

【プティフール】
最後に、コーヒーか紅茶を選び、お茶菓子が出てくる。
この日は、ココナッツのフィナンシェ、梅を使ったシュークリーム、
くるみを使ったヌガーチュール、アーモンドのチョコレートがけ、アーモンドの砂糖がけだった。
デザートも手を抜かず、さらに、これでもかというくらいに出てくるのに感服する。

■■攻略法■■
必ず予約するべし。
その時、嫌いなものは予め伝えておくと良い。

■■チョッチュ■■
とても格好良いコーヒーカップなのですが、ちょっと飲みにくかったかなぁ。
我々、メタボが気になるオヤジとしては、もう少し野菜があると嬉しいなぁ。

■■オススメ店■■
海野さん 小倉北区 「あそび割烹 賢太郎」

■■その他■■
客単価:コースを頼んで、飲んだだけ 

お一人でされているので、なるべく予約の時間を守り、あまりせっかちにならないでください。

ビールは、瓶700円から。
ワインは、グラス700円から、ボトル6000円から。
ペアリングコースは、2700円、4200円、6000円。(6000円で、7、8杯になる)
焼酎は、グラス800円から。

ディナーコースでは、10000円を頼む人が多い 。

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