また、おおつかで、すみません。
どうも、このところ阿久根先生、別の仕事でお忙しいようで、
ちっともこのブログを更新してくれません。
だもんで、無理やり「SEの話その3」を書いてみます。
もう飽きた、といわないでください。
今日は、SEはリズムをはずさないとSEにならない、というテーマです。
というのも、
「月のしらべと陽のひびき」の中盤、姜琰(きょうえん)が市場で踊り、
そのあと請われて宮殿に行き、そこでまた踊る、というシーンがあります。
どちらも甘沢(かんたく)の箏(こと)の演奏に乗って・・・。
つまり、踊りのシーンが2種あるわけです。
「踊りの音」ってなんだろう?と悩みました。
ラテンのフラメンコなどだったら、靴の音と手拍子で、
イメージはつきます。
しかし、月と陽の時代設定は、紀元前の中国。およそ2,200年前。
なーんのデータも資料も、ありゃしません。
考えようによっては、何でもアリ、ともいえるのです。
市場の音楽は箏の演奏に合わせて、にぎやかに打楽器をくっつけまして、
明るいイメージ。
しかし、それだけでは、踊るというイメージが出てこない・・・。
そこで思いついたのが、姜琰が髪飾りをしていて、
それが「チャラリン」と鳴る、という設定。
最初、音楽のリズムに合わせて「髪飾り」の音を入れていってみました。
ところが、これが、ただのリズム楽器の音にしか聞こえないのです。
そりゃあそうです。
リズムに乗っければ、リズム楽器になるのは、
分かっていそうなものなのに・・・。
おおつか、作ってみるまで、気づきませんでした。
アホです。
困りました。
それで今度は、わざとリズムをずらせていってみました。するとどうでしょう。
ちゃんと踊っている姜琰が見え始めてきたではありませんか。
踊る姜琰のリズムとは、
リズムを少しずらせて、髪飾りの音が鳴る。
うまくいったようです。
もちろん2番目の宮殿での踊りのシーンでは、ゆったりとした音楽に、
ゆったりとした髪飾りのリズムで、優雅な舞を表現してみました。
姜琰が踊っているように、聞こえます、よねぇ?
ラジオとは、想像させるメディアです。
そして、
ラジオドラマとは、イマジネーションの世界です。
わたくしは、SEのことを調子に乗って説明しすぎたのかもしれません。
イマジネーションは、みなさんのモノなのですから、
制作者が押し付けるものではないはずなのです。
分かっているのですが・・・。
このブログに対する、ご意見、ご要望などありましたら
「コメント」に書き込んでいただければ、うれしいです。
阿久根先生が答えてくれると思いますので、
よろしくどうぞ。
プロデューサー:大塚和彦