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ラジオドラマのSE(効果音)の話その2

善導寺の屋根.JPG


おおつかです。

みなさん、目を閉じてみてください。
なにが、聞こえますか?

セミの音、近所のTVの音、公園で遊ぶ子供たちの声、
遠くを走る列車やクルマの音・・・。
近くに田畑があれば、ひょっとしたらカエルや虫の声など、
聞こえるかもしれません。

ラジオとは、そういうものです。
音だけの世界。
それがラジオです。

さらにラジオドラマのSEとは、そういった事柄を「想像」させるための、
手法なのです。
SE=サウンド・エフェクトの略。

エフェクトとは「効果」のことですから、
SEとは音響効果ということになります。

今日は、そんなSEのさらに効果的な使用方法をお話してみます。


ラジオドラマの多くは、主人公や登場人物が移動します。
たとえば、
「月のしらべと陽のひびき」の冒頭部分で、
甘沢(カンタク)が市場を歩いていると、遠くから箏(こと)の音が聞こえてくる。

引き寄せられるように「歩いていく甘沢」。
そうすると次第に「箏を弾いている姜琰(きょうえん)のそばに近づく」

この上の2行をSEで表現すると、

1> 甘沢の足音
2> 左奥から中央へ。
3> 右奥から、かすかに聞こえる箏の音
4> 少しづつ音が大きくなりながら、中央に寄っていく。

という工夫をすることにより、
甘沢と姜琰の出会いのシーンが生まれています。

2人の会話中は、左に甘沢、右下に姜琰。
はにかみながら話をしていると、右奥からバアさん登場。

バアさんも右奥から次第に中央に歩み寄るのですが、ここでも、
足音と声のレベルを、少しづつ上げていっています。

そんな風にSEと音のレベルを調整することにより、
少しでもイメージの世界を広げていただこう、
とわたしたちは、努力しているのです。

そろそろ窓の下のセミの音が、小さくなってきました。
セミって、何故、夜になると鳴き止むのでしょうか?


善導寺の床.JPG

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