fmfukuoka

番組紹介

放送時間毎月第1・第3日曜日19:00-19:55
出演者孫文/永淵 幸利
梅屋庄吉/二橋 康浩
宮崎滔天/山下 晶
頭山満/矢山 治
平岡浩太郎/美和 哲三
宋慶齢/渡辺 美穂  他

1911年、孫文を中心人物として起こされた「辛亥革命」。
この革命に、たくさんの日本人、それも九州の人たちが関わっていたことをご存知でしょうか?
この番組は、そんな中国の王朝時代を終焉させ、共和制を確立させた「辛亥革命」に命をかけた孫文と
九州人の物語をラジオドラマとしてお送りしてまいります。


【その8】辛亥革命について

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どうも、お久しぶりです。
監修の阿久根です。

このシリーズも只今、9章まで録り進めて参りました。

辛亥革命の章の収録も終りまして、少し気持ちはラクになってきました。

編集している大塚さんに対してのダメだしも、
この頃、なんか優しくなってきたなーと自分では思っているんですけども...

えー...

第8章の
『辛亥革命』
って、このスペシャルドラマシリーズのヤマ場だったりしまして、
今までの章の主役たちが、それぞれの目線でこの革命を見、
それぞれの立場で、この革命を語るようになっているんですね。

しかし、ヤマ場っつっても、
辛亥革命って偶然に勃発して、そのまま地崩れ的に中国各地でバンバン蜂起して、
あれよあれよで清朝政府を倒しちゃったので、主役である孫文とか九州人たちが
軸にいなかったりするんですよね。

孫文はアメリカに行っちゃってるし、日本でも、度重なる革命蜂起失敗で、
「もうムリなんじゃね」的、雰囲気が漂ってしまってて、
日本人志士たちも距離を置き始めたりしてましたし...
日本の中国に対する政策も、だんだんダークサイドに行っちゃったりしてるし...

しかも、孫文と、黄興らの革命組織が大同団結して成った中国同盟会も、
意見の対立で分裂しかかってたし...

そんな流れの中での辛亥革命勃発でした。

実は、孫文ってですね、清朝政府という巨木に絶えず斧を振りおろして、
ずっと小さな傷は付け続けていたんですよね。

そこに、九州人たちも協力して刀を振って傷を付けてみたり、
孫文に栄養ドリンクの差し入れしたりして、更に黄興や宋教仁たちも、
孫文の付けた傷の箇所に、ノコギリやナタを入れ始めて...

巨木過ぎて多少の傷ではビクともしないと思われてたんですけど、
実は、その巨木が内部で腐ってて、あっと言う間に倒れちゃったんですよね。
孫文がヨソにお出掛けしている間にね(笑)

まあ...そんなところを描いたのが第8章でした。

宮崎滔天の妻、ツチの姉である、前田卓子(つなこ)も出てきます。

彼女は夏目漱石の『草枕』に出てくる那美のモデルになった女性ですけど、
実は、中国同盟会の機関紙を発行する民報社の編集室に寝泊まりして、
中国人留学生の革命志士たちの面倒を見てたという方です。

宋教仁の日記によく出てきますけど、本当に親切な革命おばちゃんだったようです。

ドラマに出てくる卓子は、その親切な革命おばちゃんイメージと、
夏目漱石の草枕に出てくる那美の男を翻弄する女性イメージを足して描いてみました。

明治という時代の女性は地位が低く、人権が無いに等しい状態でしたので、
そんな世に反発する卓子は異端視されるんですけど、
その異端視具合が草枕の那美と重なるんですよね。

卓子は、孫文が書いて編集室に掲げた『平等居』という書が好きだったらしいので、
総ての人間は等しくあるものという革命の理想は、
男女等しくありたいという彼女の理想に直結していたのでしょうね。

孫文は中国南部の僻地でばかり革命蜂起していましたけど、
黄興と宋教仁は、中国の中央の物流の要衝で革命を起こそうとしていました。

まあ...それが成功したんですけども、黄興と宋教仁の側にいて、
彼らに大きな影響を与えたのは、前田卓子であったと思います。

なので、辛亥革命の章では卓子に登場してもらいました。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」

草枕の冒頭にはこのような文が出てきますけど、これって当時の孫文に聞かせたいくらい。
聞いてたら身に沁みたろうなあ、と思いますね。

頭良さげにもっともらしく発言しても、ホント角が立つもんね。
もー、バカでいるのが一番よ。

って、言ってあげたい。


あ...長くなりました。

じゃあ、また。

監修 阿久根知昭

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