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提供:創価学会
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2020年2月8日「大序曲1812年」

バレエ音楽『白鳥の湖』や『くるみ割人形』などで知られるチャイコフスキー。
彼の作品の中に、ナポレオン率いるフランス軍とロシアの戦いを描いた『大序曲1812年』があります。

この曲は楽譜出版社から依頼され1880年に作ったもの。
当初は「戦いを題材にした曲はただ騒がしいだけの音楽になるのは目に見えている」と気乗りしないチャイコフスキーでしたが、「どうせ騒がしい曲を作るのなら」と、曲のクライマックスにとんでもない仕掛けを施しました。
それは大砲。
楽器として本物の大砲を撃ち鳴らすというパートを作ったのです。

果たして『大序曲1812年』の初演で本物の大砲を使ったかどうかは諸説あり、はっきりしていませんが、『大序曲1812年』は現代も人気の作品で、大砲のパートは大太鼓を叩いたり、録音した大砲の音を流したりして演奏されています。

平成19年のある日、陸上自衛隊の音楽隊が演習場で屋外コンサートを開き、『大序曲1812年』を披露しました。
協力したのは砲兵部隊。本物の大砲の出番です。
しかし、クライマックスでタイミングよく空砲を撃ったのはいいのですが、その音があまりにも大きく、演奏者や聴衆の耳が麻痺して演奏は中断。
それでも彼らは毎年のように『大序曲1812年』を演奏し会場を沸かせています。
ちょっと小さめの大砲を使って。