2020年2月29日「ウイルスとの闘い」
古くから繰り返し猛威を振るい恐れられたウイルスによる伝染病・天然痘。
WHOは1980年に世界根絶宣言を行いましたが、その貴重な一歩となったのがイギリスの医師エドワード・ジェンナーによる種痘という予防接種の発明でした。
ジェンナーは牛に発生する伝染病・牛痘に感染した人間は天然痘にかからないことを農村の人々から学び、牛痘を発病した患者の水ぶくれから液体を採取して、それを少年に接種。
これが世界最初のワクチン・種痘の発明であり、予防医学、免疫学へ道を開くことになるのです。
ところが、ジェンナーの研究論文は評価されず、医師の理解を得ることも、ましてや一般の人々からも「種痘を受けると牛になる」と怖がられるなど、偏見や誤解を乗り越えての普及には大変な苦労がありました。
そんな中、種痘の効果は次第に認められ世界へ広まっていったのです。
実はジェンナーは種痘法の特許の取得を行いませんでした。
特許を取るとワクチンが高価なものとなって、多くの人命を救えないと考えたのです。
その後、ジェンナーが論文の中で予言していた天然痘の根絶は現実のものとなりました。
種痘の発明から200年を経た今、新たなウイルスとの闘いは、ジェンナーが開いた免疫学とともに続けられています。
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