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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2020年1月4日「2050年宇宙の旅」

未来の世界を描いたSF小説や映画の中に、地上と宇宙を行き来する「宇宙エレベーター」があります。
夢のような話ですが、じつは1960年代から研究が始まっています。

一番の課題は建設するための素材と技術。
ですが、近年になって鋼鉄より強くて軽いカーボンナノチューブという素材が発見され、建設される見通しが立ったのです。
その概要は、地上3万6000km上空の静止軌道に宇宙ステーションを設置し、そこから地上までカーボンナノチューブ製のケーブルを繋いでエレベーターを行き来させるというもの。

日本での開発計画も進み、大学の研究チームは今年、超小型衛星を宇宙に打ち上げて数mのケーブルでミニサイズのエレベーターを動かす、世界初の実験を実施する予定。
また建設会社のプロジェクトチームでは、10年後には建設技術を確立して2050年ごろに完成するという予測を発表しています。

ただこれを実現するためには技術以上に大きな課題があります。
それは、世界の平和。
もし1つの国が宇宙エレベーターを軍事利用すれば、とんでもないことになります。
国家を超えた世界組織で各国が協調し合い、一人一人が地球に生きる共同体としての意識を持つこと、それが宇宙エレベーターを運用していく最大の課題なのです。