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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年12月28日「ヒーローラット」

来年の干支は ねずみ。
現代社会では厄介者というイメージが強いネズミですが、地雷で苦しむ国々では、優れた嗅覚を活かして火薬を嗅ぎ分ける訓練を受けた「アフリカオニネズミ」が地雷の発見と除去に大活躍しています。
ネズミは体重が軽いことから地雷に乗っても爆発する心配が少なく、これまで一匹の犠牲も出すことなく活躍を続け「ヒーローラット」と呼ばれているのです。

ネズミの活用を思いついたのはベルギー人の工業デザイナー、バート・ウェットジェンスさん。
残留する地雷がもたらす深刻な問題を知り、ネズミの嗅覚や学習能力を活かせないかと考えたのがきっかけでした。
またそれは発展途上国が自力で取り組めるコストの掛からない方法でもありました。

しかし理解者も少なく資金集めに苦労する中、ようやくベルギー政府の研究開発助成金を得て非営利団体APOPOをスタート。
アフリカのタンザニアを拠点にネズミの訓練や地雷の探査に取り組み、今では各地で地雷や爆弾などの除去に多大な成果を挙げる国際事業へと発展したのです。

ネズミと人間がワンチームになって誕生させた「ヒーローラット」は発展途上国を悩ませる結核菌の検出にも活躍。
厄介者を役立つものへと替えた、人の知恵と思いは未来へと続いています。