2019年11月16日「カイゼン」
まだ食べられるのに処分される食品を食べ物に困っている人や施設に届けるフードバンク。
その活動は企業の寄付によって支えられています。
ニューヨークのフードバンクの倉庫ではスタッフたちが一人ずつ段ボールの箱を持っていろいろな食糧を詰めて歩き、トラックに積み込んでいました。
その現場にある日、1人の男性が訪ねてきます。
彼はスタッフたちに作業を中断させ、持参してきたローラーコンベアを倉庫の奥からトラックの荷台まで並べます。
そしてそのラインに沿って食糧を並べ替え、スタッフをそれぞれの食糧の前に立たせました。
つまり、人が箱を持って歩きながら食糧を詰めるのではなく、箱をローラーコンベアで移動させながら食糧を詰め込む流れ作業のスタイルを作ったのです。
その結果、それまで1箱詰めるのに3分かかっていた作業がわずか11秒に短縮。食糧の配給を待つ人々の待ち時間も90分から18分にまで減ったのです。
スタッフたちが大喜びしたのは言うまでもありません。
じつはこの日フードバンクを訪れた男性は、日本の自動車メーカーの社員。
この会社は、仕事の効率を上げるためにすべての仕組みを常に改善する企業として世界的に知られています。
企業の寄付によって支えられているフードバンク。
この会社はお金ではなく改善を寄付したのです。
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