2019年10月12日「走って、停まる!」
来年の東京オリンピックの競技にスケートボードが初めて採用されます。
これを受けてワールドスケート連盟では、スケートボードより歴史が古いローラースケートも、近い将来オリンピック競技に採用されることを期待しています。
ローラースケートの発明者はジョン・ジョセフ・マーリン。
1759年に靴底に車輪を取り付けて地面を滑走するスケート靴を発明します。
が、一般に広まったのはマーリンの発明から100年後のこと。
なぜ空白の100年があったのか?
それはマーリン自身に原因があったのです。
マーリンはロンドンで開かれた舞踏会の会場でスケートをお披露目することにしました。
舞踏会が佳境に入るころ、彼はおもむろにバイオリンを弾き始め、人々の視線を集めます。
そして演奏を続けながらスケート靴で会場をすいーっと滑り出したのです。
何が起こったのかとどよめく観衆。得意満面なマーリン。
しかし彼はバイオリンを弾きながら滑ることに精一杯で、停まり方を考えていませんでした。
舞踏会場を真っ直ぐ突っ切ると、そのまま壁にかかった鏡に激突。
大音響とともに鏡は割れ、マーリンは大怪我を負う始末だったのです。
こうしてブレーキ機能がついたものが開発されるまでの100年間、マーリンのローラースケートはだれからも見向きされなかったのでした。
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