2019年8月24日「ベル先生の想い」
グラハム・ベルといえば電話を発明した人として知られていますが、なぜ電話を発明しようと考えたのか?
じつはベルの父親は、耳が聞こえず言葉を発生できない聴覚障害の人たちのために、言葉を発音する口の動きを記号で表して目で見て理解できる「視話法」という発声法を考え出した人でした。
というのもベルの母親が重い聴覚障害で、少年時代のベルもまた母に寄り添って、父が発明した視話法で母親と会話していたのです。
大人になったベルは父親の後を継いで聴覚障害の人たちに視話法を教える学校を開きます。
その学校にやって来たのが、ヘレン・ケラーという少女。
ベルは彼女のためにアン・サリバンを家庭教師として紹介し、長年ケラーを支援しています。
またベル自身は視話法のほかに耳が遠い人のために補聴器の研究を重ね、その過程から生まれたのが、音声を電気信号に変換して伝えること、すなわち電話だったのです。
晩年、ベルはこう語っています。
「世の中の人たちは私が電話の発明以外、何もしなかったと思っているようだ。確かに電話の発明でたくさん儲けた。
しかしそれよりも、私は口がきけない人がもっと楽に口がきけるようになれたらどんなにいいだろうと思っている。それができたら私は本当の意味で幸せになれたのだろう。」
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