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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年8月3日「引き裂かれた絵」

「ピアノの詩人」と呼ばれるショパン。
学校の音楽室に飾られている肖像画の中でも、19世紀ロマン主義を代表する画家・ドラクロワによって描かれた絵には、じつはショパンの切ない失恋話が隠されています。

ショパンが26歳のとき、ジョルジュ・サンドという6歳年上の女流作家と出会います。
お互いに惹かれ合い交際を始めた二人。
そんな二人の様子を、ドラクロワが1枚の油絵に描いています。
その絵には右側でショパンがピアノを弾き、左側にはその音色にうっとり聴き入っているサンドの姿が。
愛する人と暮らす中でショパンは次々と名曲を産み出し黄金時代を築きます。

が、仲睦まじい関係が10年ほど続いた後、サンドはショパンの元を去り、その2年後ショパンは39歳で生涯を閉じました。
そして二人を描いた絵は、ドラクロワの死後、何者かの手によって二つに切り裂かれたのです。
ショパンとサンドが結ばれなかったので絵も別れることにしたのだとか、二つの作品にしたほうが高く売れるからなどと言われていますが、真相はいまも分かりません。

現在、切り裂かれたショパンの方の絵はパリのルーブル美術館に、サンドの絵はデンマークの美術館に離ればなれに所蔵されていますが、二人の墓は、パリの同じ墓地に仲良く建っているそうです。