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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年4月13日「遅刻作戦」

400年ほど前の慶長17年4月13日、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘が巌流島で行われました。

この二人の決闘といえば、武蔵の遅刻作戦がよく知られています。
小次郎を苛立たせるため、わざと約束の時間に遅れて島に到着する武蔵。
「遅いぞ武蔵!」と叫びながら刀を抜いて鞘を投げ捨てた小次郎に向かって武蔵が「小次郎、破れたり!勝つ者がなぜ鞘を捨てるか!」と切り返した件です。

でもじつは、武蔵がわざと遅れてやってきた話は史実ではないようです。
この決闘は当時の細川藩が主催し、立ち合いの藩士が見守る中でのこと。その記録には武蔵が遅れてやって来たことは何も記されていません。
おそらく後の歌舞伎でこの逸話を創作したのだろうといわれています。
が、たとえそうだとしても、武蔵の遅刻作戦はいかにも敵をよく知って、戦う前に心理戦で戦う優れた武術家らしいと、人々の中で伝説として定着していったのです。

現在、巌流島には武蔵と小次郎の二人の銅像が向かい合っていますが、小次郎の像は平成14年に建立され、武蔵の像は伝説をなぞるように1年遅れの平成15年に建立。
その除幕式にはドラマで武蔵と小次郎を演じた俳優が招待されましたが、武蔵を演じた俳優は除幕式に30分ほど遅刻しました。
やはり遅れて登場してこその武蔵なのです。