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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年4月20日「ベルツ先生の大誤算」

きょう4月20日は郵政記念日。明治4年のこの日に郵便物の取扱いと切手の発行が始まったのです。
当時は鉄道も自動車もなかったので、江戸時代の飛脚と同様に手紙は郵便脚夫と呼ばれる人が自分の足で長距離を走って運んでいました。

この驚異的な体力に驚いたのが、明治政府の招きで来日していたベルツ。
明治の日本女性が水仕事の手荒れで苦しんでいるのを知って「ベルツ水」を処方したドイツの医者です。

長距離をやすやすと走る郵便脚夫や人力車夫の体力がどこからきているのか。
興味を持ったベルツが脚夫に食事の内容を聞くと、「玄米のおにぎりと梅干し、味噌・野菜」という答え。ベルツから見れば典型的な低蛋白・低脂肪の粗食です。
そこでベルツは、もっと栄養価が高い食事をすれば走る力がもっと高まるのでは、と考え実験をしてみました。
この脚夫に肉の料理を摂らせて毎日40kmの道のりを走らせ、そのタイムを計測。
すると脚夫はタイムが伸びるどころか、疲労が募って走れなくなり、3日目で「先生、どうか普段の食事に戻してほしい」と懇願。
仕方なくおにぎりと梅干しに戻したところ、また走れるようになりました。

ベルツ先生の思惑はみごとに大外れ。欧米人から見れば粗食と見える日本の伝統食が、じつは日本人の体力を育てる源だったことを確信したのです。