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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年12月29日「未来に向かって」

明後日は平成最後の大晦日。今年は元号が慶応から明治に替って150年目です。
幕藩体制から近代国家に変わる激動の中、旧武士階級の士族達は苦難の連続でしたが、青森では「りんご」が士族達の活路を開いたと言われています。

日本政府から西洋りんごの苗3本が配布されたのは明治8年のこと。
植栽を担当した県庁職員で旧弘前藩士の菊池楯衛は「西洋りんごは貯蔵すれば一年余り持つ」と知って、長期保存できなかった日本のりんごとの違いに驚きます。
それから菊池はアメリカ人農業技師からりんご栽培の技術を学び、東北各地を訪ね歩きました。
青森の気候風土がりんご栽培に適していることを確認した菊池は、懸命に研究と努力を重ね、士族や農民にも栽培技術を教え広め、惜しみなく大量の苗木を分け与えたのです。

「りんごを育てる者は自分に欲を持ってはならない」

菊池はこの言葉をいつも口にして「良いりんごを作るには人づくりから」が信念であったと言われます。
高い志で果敢に挑んだ菊池の姿は、当時の士族達をどれほど鼓舞したことでしょう。
今日、青森県は日本一のりんごの産地となっています。

いよいよ来年は改元の年。
菊池がそうであったように、時代の節目こそ新たなことに挑戦できるチャンスかもしれません。
新年も素晴らしい一年になりますように。