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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年9月29日「北加伊道」

かつて蝦夷地と呼ばれた北の大地が、明治政府によって北海道と改められてから150年。

先月、札幌市で行われた記念式典はアイヌ民族の伝統芸能が披露されるなど、北海道の文化や歴史を未来に受け継いでゆく願いが込められたものでしたが、その思いを「北海道」の名に込めていたのが名付け親の松浦武四郎でした。

幕末、アメリカやロシアの脅威が高まる中、独自に蝦夷地の探検を行い、その実績によって幕府から蝦夷取調御用御雇、明治政府からも蝦夷地開拓御用掛を拝命するなど、広大な大地に分け入って調査を続けた松浦は、アイヌの人々との交流を深め、次第に彼らの幸せな暮らしを願うようになったと言われます。

そして明治政府に蝦夷地の新しい名称を建議する際に、六つの候補のひとつとして「北加伊」を提案するのです。
「ホッカイ」の「カイ」とは、アイヌの長老から教えられた言葉で「この地で生まれたもの」という意味を持っていました。
これをもとに「北海道」の名が誕生したのです。

それから150年。開拓の苦難の年月を重ねて豊かに成長した北海道は、今、震災という困難に直面しています。
この地で生まれた人々、この地に暮らす人々の幸せを未来につなぐために何が出来るのか、松浦は私達に問いかけているかも知れません。