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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年6月9日「車両監視」

明日6月10は「路面電車の日」。
平成7年のこの日、路面電車が走る全国の自治体が集まって路面電車サミットを開催したことから制定されました。

路面電車が走る町、長崎市。
開業は大正4年で、長崎市民の足として100年以上走り続けています。
その歴史の中で大きな天災に見舞われたのが、死者・行方不明者299人を数えた昭和57年7月の長崎大水害です。

帰宅時のラッシュに起こった集中豪雨で市内の河川があっという間に氾濫。
道路が濁流となりました。
このとき電車の電気施設も冠水して停電。運行していた電車30両が立ち往生してしまったのです。
携帯電話もない時代、運転士たちは状況が分からないまま、とにかく乗客の保護と避難誘導に当たります。
子どもやお年寄りを抱きかかえて濁流を横切り、安全な場所に連れていきました。

が、すべての乗客を避難させた後も運転士自身は避難しませんでした。
電車が急流に流されないように停留所や電柱にロープで固定し、そのまま電車内に残り、「車両監視」という業務で翌朝まで電車を見守り続けたのです。
車両監視は水が引いて電車が復旧するまで、担当運転士が交代しながら3昼夜続きました。

人命を第一に考えながら電車を我が子のように愛する運転士たちは、きょうも長崎市民の足として安心と安全を運んでいます。