TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(2018年5月26日「君の名を不滅に」)
(2018年6月9日「車両監視」)→

2018年6月2日「日本が元祖」

1966年のきょう6月2日、米国の無人探査機が月面軟着陸に初成功しました。
同時期、日本の宇宙開発技術は遅れていましたが、15年後にはハレー彗星の探査衛星を打ち上げ、欧米と肩を並べました。

そのころに起きた宇宙開発の国際会議での話。
慣しとして各国の打ち上げ基地のことをアルファベット3文字で表記します。
たとえば米国ケネディ宇宙センターの場合は、
英語の「Kennedy Space Center」の頭文字3文字を取ってKSCと略称されます。

実は当時、KSCはもうひとつありました。
それは内之浦にある鹿児島宇宙空間観察所。
英語にすると「Kagoshima Space Center」となるからです。

国際会議の場ではしばしば混乱を招きました。
「まあ当時の規模や実績において話題の大半を占めるのは米国のKSC。
KSCという言葉が出たら概ねケネディ宇宙センターのことだろう」
と認識されていたためです。

しかし鹿児島宇宙空間観測所はじつはケネディ宇宙センターより前に創設されています。
だからKSCという略称は日本が元祖と言えるでしょう。
そこで国際会議でKSCという名が話題に出たら、日本の出席者はすかさず
「ちょっと待って。それはオリジナルKSCのことか、それともセカンドKSCのことか?」と質問をしたそうです。
元祖のささやかな鬱憤晴らしだったのかもしれません。