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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年4月14日「ヘレン・ケラーの来日」

昭和12年4月15日、横浜港に着いた客船から降り立ったのは、ヘレン・ケラーです。

視覚と聴覚の二重障害を背負いながら障害者の救済に活躍するヘレンは日本でもよく知られ、熱烈に歓迎されました。
彼女は4カ月の日本滞在の間に全国各地で講演し、日本に障害者対策の必要性を呼び起こしました。

そんな彼女の全国行脚の様子がその都度新聞で紹介されましたが、その中に、じつは来日した直後の彼女が横浜港の客船待合室で何者かに財布を盗まれる事件があったことが報じられました。
すると翌日、ヘレンの宿舎に匿名の男性から盗まれた財布と同額の現金が届けられ、さらには全国からヘレン宛てにお詫びの手紙とともに寄付が殺到したのです。

そのことに感激したヘレンは寄付金をそのまま障害者事業に寄贈し、次のような談話を発表しました。
「私は盗んだ人の事情に同情しこそすれ、その人を憎んだり日本を泥棒の国だと誤解するようなことはありません。むしろこの出来事によって日本の方々から大きな思いやりを寄せられ、また国民がお互いに助け合うという日本人独特の精神を知って、本当に嬉しく思います」

その言葉の通り、ヘレンはその後、大の親日家となって戦後の昭和23年、昭和30年と三たび来日を果たし、やはり熱烈な歓迎を受けました。