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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年4月21日「再会したハチ」

昭和9年のきょう4月21日、東京・渋谷駅前に忠犬ハチ公の像が建立しました。
主人の帰りをずっと待ち続けたハチの話は海外でも有名ですが、ハチの主人・上野英三郎のことを知る人はあまりいません。

彼は東京帝国大学の教授で、農業土木・農業工学の父と呼ばれる博士です。
上野博士は政府の委託を受け、20年間で3000人を超える農業土木技術員を育成。後の関東大震災から東京を復興する重要な役割を果たしています。
そして農業土木の発展に尽くした者を毎年表彰する上野賞が設けられました。

農業土木の世界で偉大な功績を残した上野博士ですが、私生活では大の犬好き。
昔は外で飼うのが当たり前だった犬を自分のベッドの下に寝かせたり、一緒に食事したり風呂に入ったり、少しでも時間があれば散歩に連れていくなど、ハチをとても可愛がっていたのです。

平成27年、東京大学農学部のキャンパスに上野博士の功績を記念して銅像が建てられました。
博士の銅像のそばにはハチの像。
博士に嬉しそうに飛びつくハチと、少し屈みながらハチが飛びついてくるのを優しい眼差しで見つめ、首元を撫でている上野博士が表現されています。

渋谷駅前のハチは永遠に主人の帰りを待ち続けていますが、ここのハチは銅像になってついに主人と再会できたのです。