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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年3月24日「替え玉ランナー」

きょう3月24日は「人力車発祥の日」。
日本で最初に人力車の営業が始まったのが明治3年のこの日なのです。
明治から大正時代にかけて活躍した人力車は、現代に置き換えればタクシーの役割を果たしていました。

人力車を引くのは車夫と呼ばれる人。
客の行き先を聞いて座席に乗せると、両手で梶棒を掴んで「あらよっと!」という掛け声で人力車を起こして走り出すのが、車夫の心得でした。
その走りもまた現代のタクシー並みに5キロ10キロの距離は当たり前。
50キロの道のりを交代も休憩もしないで走り切る車夫もいたようで、並外れた脚力が車夫の命なのでした。

大正14年の箱根駅伝でこんなことがありました。
往路第3区を走った或る大学の選手が抜群の速さで、あっという間に4人をごぼう抜きしました。
でもそれは本来第3区を走る選手とは別人で、じつは大学から頼まれて替え玉として代走した人力車夫だったのです。
このことがバレ、その大学は翌年の大会を出場停止処分になりました。

それにしても、なぜ偽学生であることが簡単にバレたのか...。
それは彼が前のランナーから襷を受け取った瞬間、思わず「あらよっと!」と叫んで走り出したからです。
おまけに腕をまったく振らず、ぴったり腰につけたまま走ったのでした。