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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年2月10日「ロケット打ち上げを支えた悪戯」

昭和45年2月11日、日本初の人工衛星「おおすみ」が鹿児島県の大隅半島・内之浦から打ち上げに成功しました。

この計画を成し遂げたのは、当時の宇宙科学研究所の若き研究者チーム。
彼らは内之浦の町に長期間泊まり込み、共同生活をしました。
でもロケットの打上げは延期されることも多く、また打ち上げても何らかの不具合で何度も失敗します。
そんなときのチームのストレス発散は、悪戯です。

その日はチームリーダーの誕生日。
お祝いにと後輩たちがとっておきの芋焼酎をプレゼントしました。
瓶のラベルには、大隅半島の大隅と大きな海と書いた「大隅大海」の文字。
「聞いたことない名前だが、こんな酒があるのか。何か変な物が入ってるんじゃないだろうな」とリーダー。
「とんでもない。正真正銘の大隅大海です。僕たちから衛星打ち上げ成功を祈る先輩へのささやかなお祝いですよ」と後輩たち。
「そうか、ともかくありがとう」と言ってチームリーダーは皆と乾杯し、ちびちび飲み始めると、すぐに「何だこりゃ!塩辛いぞ」と叫びます。
じつはこの大隅大海、焼酎が3分の1で、残りは大隅湾の海水を詰めたものだったのです。

このような可愛い悪戯を積み重ねながら8年の歳月、14回の打ち上げ失敗を経て、人工衛星「おおすみ」が宇宙に飛び立ったのです。